【南井克巳元調教師 豪腕の視点】ルメールはうまく運ぶよね 出入り激しくて流れガラっと変わった。こんな菊花賞珍しい
「菊花賞・G1」(20日、京都) 2番人気のアーバンシックが最後の1冠を射止め、G1初制覇を飾った。クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は秋華賞に続く2週連続のG1制覇を達成し、菊花賞は昨年のドゥレッツァに続いて2年連続4勝目。管理する武井亮調教師(43)=美浦=にとっては開業11年目にしてJRA・G1初勝利。2着に4番人気のヘデントール、3着に7番人気のアドマイヤテラが入り、ダービーとの2冠を狙った1番人気のダノンデサイルは6着に終わった。 ◇ ◇ ルメールはうまく運ぶよね。馬も強い。でも、強いだけじゃ勝てないから。入れ替わり、立ち替わりで、出入りが激しくて途中で流れがガラっと変わった。こんな菊花賞は珍しいよ。 前に行く馬が多かったし、抑えていても掛かる馬も多かった。ジョッキーにとって難しい流れになった。距離が長いから、前を射程に入れて、直線に向くまでスムーズに運べるかが重要です。3角で豊君(アドマイヤテラ)が早めに動いて、後ろにルメール(アーバンシック)。その後ろに戸崎君(ヘデントール)。うまく展開に乗せていけたのが上位3頭かな。 注目していたダノンデサイルは馬体重が増えていても太くなくて、いい感じだった。ただ、逃げたエコロヴァルツが下がってきて行き場がなくなり動けなかった。メイショウタバルは掛かる馬なので、どう運ぶかなと思っていたけど、長い距離で掛かる馬は難しい。ピースワンデュックも掛かった。僕が菊花賞を勝たせてもらったバンブービギンはダービー2週前に未勝利を勝ったので、似た感じで楽しみにしていたのですが。あと、コスモキュランダは結果的に距離が長かったのかな。 ルメールは先週も今週も思ったように乗れている。自信でしょう。そして、秋華賞も菊花賞も関東馬の活躍が目立ちましたね。(元JRA調教師)