Nothing’s Carved In Stoneインタビュー「シンプルだけどかっけえ!ってなっちゃうリフ。これはロックバンドの特権」
今年2月24日にバンド結成15周年を締めくくる武道館公演「Nothing’s Carved In Stone 15th Anniversary Live at BUDOKAN」を行ったNothing’s Carved In Stone(ナッシングス カーヴド イン ストーン)。約5年ぶりの武道館はファンからのリクエスト曲を含む30曲を超えるセットリストで、バンドの15年の集大成を見せる濃厚なステージとなったが、その甘美な余韻があるなかでリリースとなるのがNEW EP『BRIGHTNESS』。灯火、希望の光といった確実なさらなる一歩を刻んだ今作は、メジャーであるワーナーミュージック・ジャパンとのタッグでリリースされる。 【全ての写真】村松拓、大喜多崇規の撮り下ろしカット(全15枚) ドラム、ベース、ギター、ボーカルの4つの音でロックバンドの様式美を極めながら、つねにさまざまな音楽、サウンドにもアンテナを張り巡らせた先鋭的で深みある4人のロックミュージックは今回、また新たに磨き抜かれて進化を遂げた。止まることのない、むしろ前にも増して前のめりなエネルギーで溢れた今作について、バンドの状況について村松拓(Vo/Gt)、大喜多崇規(Ds)のふたりに話を聞いた。 ──今年2月には結成15周年を締めくくる武道館公演「Live at BUDOKAN」が行われました。今回はファンからのリクエスト上位20曲、全アルバムからチョイスした11曲を加えた、30曲超のセットリストとなったライブでNothing’s Carved In Stoneの濃い歴史をショーで見せるステージとなりましたが、振り返っていかがでしたか。 村松 まずはファンありき、集まってくれるみんなありきで考えていた武道館だったので。成功できたことに感謝という気持ちがいちばん大きかったですね。今回は全32曲のセットリストだったんですけど。ライブのパフォーマンスで見せることのなかには、演奏の技術とかどこまでグルーヴを高めるかとかいろんな要素があるじゃないですか。ショーに変換していく上ではもちろんスタッフも一緒に頑張ってくれたんですけど、32曲ともなると演奏に集中するっていうところが結構大変でしたね。普段、みんな弱音は吐かないんですけど、終わった後に珍しく「ちょっと腕、つってるかも」みたいな(笑)。Nothing’s Carved In Stone(以下ナッシングス)は普通の楽曲というよりは全員がプレイを詰め込んで、詰め込んで、整理し切らないのが魅力なところがあるので、そこの表現がシビアではありましたね。 ──個人的にもこの15年でもいろんなタイミングでライブは拝見していますが、その度に曲が生まれ変わっているのがナッシングスのライブのおもしろさだなと思っていて。バンドの進化が見られるし、何より手癖でやっていないという新鮮さが感じらるんですよね。 村松 そこのバランスがナッシングスはおもしろくて。更新していく感性みたいなものがみんな高いというか、普段からナッシングスを思いながら過ごしているんでしょうね。 ──バンドとして重ねてきた15年の濃密さが伝わるライブでした。この武道館でも新曲「Dear Future」が披露されましたが、今回のEP『BRIGHTNESS』はワーナーミュージックジャパンとのタッグでのリリースとなります。ここで改めてメジャーでというのは、どういう思いからでしたか。 村松 曲を制作している段階で何度かバンドやスタッフで話をする機会があって、今作はレコーディングする直前までアルバムでいくつもりだったんですけど。もっと楽曲、1曲1曲を練ることに時間をかけたいねという話になって。数曲減らしてEPというサイズにしたんです。そんな話をしているなかで、自分たちで事務所を立ち上げて5年間やってきて、レーベル(Silver Sun Records)も自分たちでやってきて、もちろん人の力はたくさん借りてきましたけど、ちょっと自分らで見えないものも増えてきたよねという感覚があったんです。それを広げていくのを手伝ってもらおうかというので、メジャーというのが話としてあがったんですよね。だから、ワーナーとやるからこういう曲になったという動きは実際はないんですけど、今までとやることは変えず、ちょっと力を借りれるならということだったんです。 ──元々メジャーでも活動していて、その後自分たちでレーベルを立ち上げてさまざまなノウハウを得て、さらにここからまたメジャーでというのはおもしろい選択だなというのはありました。 村松 そういうのもありましたけどね、バンドが15周年を迎えて、5年間自分らでやってきて、これからどうするの?ってワクワクさせたいっていう気持ちもあって。もう可能性しかないじゃないですか。