【記者のベストレース2024】〝夏のローカル重賞〟を超えた!強烈すぎたホウオウビスケッツ/立川敬太
立川敬太【函館記念・ホウオウビスケッツ】
夏の北海道取材は恐らく20年ほど連続して現地取材をしていて、とりわけ近年は函館開催期間を担当することが多い。その名物レースである函館記念は、毎年印象深いものがある。 立ち位置としてはサマーシリーズ期間のGⅢ。夏限定やコース巧者であったりで、どちらかといえば〝ご当地的〟要素が強い。ただ、今年の勝ち馬ホウオウビスケッツの走りは強烈であり、その後の戦績(GⅡ毎日王冠2着、GⅠ天皇賞・秋3着)が示す通り本物だった。 さらに言えば例年、前哨戦の巴賞でいくら強い勝ち方をしても、不思議なほど続けて好走できなかったのが同レースの特徴。これを打ち破った(巴賞→函館記念連勝は2005年エリモハリアー以来)ことも大いに価値があると思っている。 関東馬でありながら、関西所属の岩田康騎手が再三追い切りにまたがって調整されたのも夏の北海道開催ならでは。馬の強さのみならず、日本競馬の根幹であり、現在地を示す意味でも〝夏のローカル重賞〟の枠を超えた面白さと深みのあるレースだったと思っている。
立川 敬太