“他愛ない”フットボールをいまこそ【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
かつてない高揚感と興奮に包まれていたリバプールが…
感心するのは、シーズン再開や優勝認定を求める声を一切挙げていないリバプールの面々。事態を受け止め、社会的責任を果たしている。(C) Getty Images
新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大した危機的状況のなかでは、フットボールなど取るに足らない存在でしかない。ただ、だからこそ、その他愛のないフットボールに一喜一憂できる日常が恋しくてたまらない。(文:オリバー・ケイ/訳:井川洋一 2020年4月16日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イングランド』を転載) ―――◆―――◆――― それは3月11日の夜だった。この夜、リバプールがチャンピオンズ・リーグ(CL)のラウンド・オブ16 で敗退した。アトレティコ・マドリーを本拠地アンフィールドに迎えた第2レグを激闘の末に2─3で落とし、2試合合計2─4で敗れ去った。リバプールがアンフィールドで負けたのは、昨シーズンのリーグカップ3回戦チェルシー戦を落として以来1年半ぶりで、欧州カップ戦では実に5年5か月ぶりのことだった。 これでCL連覇の夢は潰え
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