五輪選手への誹謗中傷に松尾潔が警告「指先で人命奪う実例見ているはず」
パリオリンピックに出場している選手たちに向けてSNSなどで誹謗中傷が相次ぎ、日本オリンピック委員会(JOC)が声明を出す事態になっている。音楽プロデューサーの松尾潔さんは8月5日に出演したRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で、「指先で人の命を奪う実例を見てきたはず」とコメントした。 ■「ここまで言わせるな」という体温を感じるコメント 3年前の東京オリンピックのときにも問題になりましたが、パリオリンピックに出場している選手に向けた誹謗中傷が止まず、8月1日、JOCが異例の声明を発表しました。 「TEAM JAPANを応援いただく皆様には、誹謗中傷などを拡散することなく、SNS等での投稿に際しては、マナーを守っていただきますよう改めてお願い申し上げます。」 言われるまでもなく守らなきゃいけないことですが、「ここまで言わせるなよ」という体温みたいなものが行間からにじみ出ています。実際のメッセージはもっと長くて、例えば「体操競技では、自身の演技が終わった後、ライバルが演技を開始するにあたり、口に指をあてて、観客に静かにするよう求める選手がいました」「柔道では、試合の時には納得がいかないことがあっても、競技後に互いの健闘をたたえ合う選手がいました」など一つ一つ事例が書いてあります。 これはJOCの公式サイトに載っています。「こういうことを言わせるなよ」と思ってしまいます。「なぜこういう誹謗中傷をしてしまうのか」ということについて改めて考えてみます。 ■匿名で面識のない人を叩く流れはディストピアに向かう 東京都知事選が終わった後、再選を決めた小池知事ではなく、2位、3位の人たちを叩く状況がかなり長引いて激しくなっているように、今回のオリンピックに関しても、負けた選手、特に「勝つ」と言われていた、もしくはそう期待されていたのに負けた人に対して、声のボリュームが大きくなっているような気がします。