嫌な上司、給料の上がらない職場...「いつも不満をこぼす人」に見えていない一つの要因
「上司のせいで仕事がうまくいかない」「パートナーが家事をやってくれない」このように身近な人の言動にイライラすることはありませんか? 他人への不満が募っている状態は苦しいものです。どうしたら心のモヤモヤを解消できるでしょうか。書籍『自分という壁』より、住職の大愚元勝さんのお話を紹介します。 他人の幸せが羨ましい...「劣等感で苦しい人生」を抜け出すための言葉 ※本稿は、大愚元勝著『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)より内容を一部抜粋・編集したものです。
「おいしくない食事」を食べ続けていないか
他人への不平不満を持ち続けることは、あなた自身のストレスにしかなりません。また、「あなたが不満を持っていること」を相手が知らなければ、ただ自分のなかで悶々としているだけなので、相手にとってはまったく関係のないことです。 「今の職場、上司が全然使えなくてありえない!」「うちの夫は(妻は)家事も育児もなにもやってくれない」「〇〇さんは、いつも自慢話ばかりで鼻につく」などと、つねに他人への不満ばかり言っている人は、いわば「おいしくないとわかっている食事をずっと食べ続けている」ようなものなのです。 本気で今の状況をなんとかしたいと願っているのであれば、不満に思っていることを相手にはっきりと伝えて改善できるようにしていくか、「おいしくない食事」から離れる、捨てる、あるいはあなた自身が割り切ることでしか変えることはできません。 また、多くの方が実感されていることだと思いますが、他人を変えるのは非常に難しいことです。使えない上司、頼りにならない夫や妻、感じの悪い友達にあなたの正直な気持ちを伝えるのは悪いことではありませんが、それによって劇的にあなたへの対応が良くなるということは、なかなかないでしょう。 お互いに「我」があるので、あなたが「こうしてほしい」と思っていても、相手には相手の「こうあるべき」があるわけです。改善が見込めないことに対して、あなたの大切な時間を費やしたり、心を消耗したりしてしまうのは、非常にもったいないことです。 不満の内容が軽いグチ程度であれば、人に話すことで発散できたり、気持ちを共有し合うことで仲間同士の絆を深めることにつなげられたりしますが、強い不満はストレスとなり心身を蝕んでしまいます。「どうにもならないこと」に心を消費してしまわないよう、離れる、捨てる、時には割り切るという判断をしていくことも大切だと思います。