部下や同僚へのイラ立ちを抑える方法を「芸人のリアクション芸」から学ぶ
日常は「どこまで見逃せますか選手権」
よく「人生はマラソン」だと言う方がいますが、僕は“どこまで見逃せますか選手権”だと思っています。 言い訳をする部下、理不尽な上司、手柄を奪う同期……。「働く」の同義語は「イラつく」じゃないか? と思えてくるほど、私たちの職場には無数のイライラトラップが埋まっていますよね? しかし、「許せない」という感情を分解していくと、そのほとんどが、瞬時に湧きあがる「今は許せない」という“時限式の感情”です。 家に帰ってネトフリを見て、熱めの風呂でサッパリして、一晩寝たら、「ま、いっか」になることが大半なので、こんなふうに考えるとお得です。 「これは、許せないのではなく、今は許せないってことだな。よし、この処理は未来の自分に任せよう」と。 皆さんの中には、アンガーマネジメントを実践している方も多いでしょうし、怒りっぽい(ぽくなった)自分に悩んでいる人もいるでしょう。 しかし、そもそも社会は、何をしても誰かがイラ立つ、誰かが怒るようにデザインされているので、心が乱れるのは普通です。 大切なのは、「今日も私を、どこかの誰かがイラつかせるんだろう」を前提にして暮らしていくこと。 そして、その社会構造を承知したうえで、イラッとさせる人たちを“どこまでスルーできるか?”と思考する。 僕はこれを“どこまで見逃せますか選手権”と呼んで、ゲームのような感覚で日々プレイしているんです。 何か一つでも参考になることがあれば幸いです。 ではまた来週、別のテーマでお逢いしましょう。 桝本 壮志/Soushi Masumoto 1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。
COMPOSITION=古澤誠一郎 TEXT=桝本壮志