ドえらい施設が降臨!3つのサウナに3つの水風呂!満足しかない「キング&クイーン」でサウナ三昧してきた
2024年9月末、埼玉・所沢に温泉施設「King&Queen(キング&クイーン)」がオープンした。オープン前から“埼玉最大級”や“天然温泉”、“3つのサウナに3つの水風呂”など、情報が解禁されたと同時に大きな話題になっていた。オープン当初は連日行列となり入場制限も行っていたという反響ぶり。混雑承知で行ってきた。 【写真で見る】3つのサウナに3つの水風呂!「キング&クイーン」 ■とにかく広い!なのに入場制限ってどういうこと? 「キング&クイーン」は最寄り駅の小手指駅か新所沢駅から無料シャトルバスを利用して約10分。訪れた日は平日ながらオープン前から多くの人が並んでいた。国道463号線に突如見えてくる看板に圧倒される。料金は入泉料と岩盤浴料があり、お風呂だけなら入泉料だけでOK。受付は専用の機械で行い、岩盤浴も利用する場合は館内着とタオルを受け取るというシステム。岩盤浴着を兼ねた館内着はキリンやゼブラ、ヒョウ柄などのアニマル柄。サイズとともに好きな柄を選べる。 受付を過ぎると食事エリアが広がる。フードコートのようなレストランのような、とにかく広い空間。しかもいい匂いがしているのですぐにでも食べたくなる。空腹や満腹での入浴はよくないので、とりあえずは素通り。そのまま奥へ、奥へと進んで行く。施設の広さゆえ、廊下の長さもなかなかだ。 一番奥には休憩スポットとドリンクカウンター、リラクゼーション施設があり、その手前が女性の脱衣所になっている。入店からここまで、まっすぐ向かったとしてもけっこう歩く。脱衣所では好きなロッカーを使用OK。さっそく準備をして浴室へ。目の前にあるサウナの文字にワクワクしながら、まずは髪と体を洗って内湯の「スーパージェットバス」へ。肌寒い季節は温かい湯に浸かって、サウナの前にしっかり体を温めたい。 ■最初にトライしたい「塩サウナ」&「涼水風呂」 最初に入ったのは「塩サウナ」。3つのサウナの中では一番温度が低いが、それでも80度設定でしっかり温まる。息苦しさなどはないので、初心者にもおすすめ。アロマ装置が設置されていて、ユーカリ、ジュニパー、ライム、ペパーミントをブレンドした香りがほんのり感じられて心地いい。 室内に置かれた塩を体にまんべんなくのせて、ゆっくり、じっくり温まる。時間は気にせず、自分のタイミングでOK。じんわりかいた汗で塩が溶け出すくらいがベストだが、まあまあ時間がかかるので、無理のないタイミングで外へ。サウナ室の前には「STRONG SHOWER」。ボタンを押すと天井にある7つの穴から一気に水が出て塩と汗を洗い流してくれる。このシャワー、温度調整ができず、意外と威力も強いのだが「塩サウナ」で温まった体にはそんな刺激も気持ちいい。 塩と汗をしっかり流したら水風呂へ。「キング&クイーン」には水風呂も3つある。まだ序盤戦なので、最初の水風呂は「涼水風呂」。これが何とも気持ちいい。天然温泉かけ流しという贅沢な水風呂で、温度も約23度と比較的高め。サウナだけでなく、お風呂でしっかり温まったあとでも入りたくなる温度だ。天然温泉だからか肌あたりもやさしい。ここは水風呂初心者もぜひトライしてほしい。 水風呂は長く入る必要はないので、自分が気持ちいいと思うタイミングで出る。そのあとは体の水分を拭きとって、露天エリアで休憩。椅子タイプとベッドタイプがあるのでお好みで。これからの季節は外気温も下がるので、屋外はちょっと…という人は浴室内に並んでいる椅子を利用しよう。いずれにしても休憩は癒やしタイムなので、水風呂のあとは一旦、ゆっくりしたい。 ■設定温度100度の「富士山溶岩ロウリュサウナ」は座る場所に注意 次に向うのは、大きな「富士山溶岩ロウリュサウナ」。設定温度は100度だが、意外と入れる、と思う。ここは霊峰富士山の溶岩石をサウナストーンに使ったサウナで、ひな壇はなんと6段もある。サウナは上に行けば行くほど温度が上がる。6段ともなれば、一番下と一番上ではかなり温度差があるので、初心者はなるべく下に座ろう。混んでいると空いている場所に座ってしまいがちだが、あまり上に座ってしまうとすぐに熱くなり、降りて出るまでも距離があるので注意。 サウナ好きの人でも必ずしも上段の高温が好みというわけではない。6段あると座る場所によって自分の好きな温度感を見つけることができるので、じっくりサウナが楽しめる。今回は3段目に座ってみた。先に「塩サウナ」に入っているので、わりとすぐたっぷり汗をかくことができた。 このサウナ室はひな壇中央に“通路”があって、足踏み台が設置されているので上り下りがしやすいのがうれしい。この部分に座る人はいないので、混んでいても出入りしにくいということがない。また、出入口が浴室側と露天側の2カ所あるのもポイント。というのも浴室側には先ほど入った「涼水風呂」と、その横にある「凍水風呂」、露天側から出た先には「遊水風呂」があり、どの水風呂にも行きやすいのだ。 ■まさかのシングル水風呂は室温マイナス20度な「凍水風呂」 気になる「凍水風呂」だが、何とマイナス20度の小部屋の中にシングルの水風呂があるという、本当に凍りそうな水風呂。シングルとは水温がひと桁の水風呂のことで、こちらは8~9度になっている。水風呂が十分冷たいのに、それがマイナス20度の空間にあるとは!サウナ好きの人ならシングルを体験したことがある人もいると思うが、この空間でのシングルは初なのでは。 シングルの水風呂は当たり前だがかなり冷たい。初心者にはおすすめしない。が、女湯に設置されている施設は少ないので、抵抗がなければトライしてみよう。サウナでしっかり温まっていること、無理は禁物が絶対条件。入るのは一瞬でOK。0.5秒でも1秒でもいいのでとにかく無理しないこと。「凍水風呂」に入れなくてもマイナス20度の部屋に入るだけでクールダウンできる。 休憩は椅子やベッドを利用するのもいいが、露天エリアにある「寝ころび湯」に横になるのもおすすめ。ミクロの気泡が出るお湯が背中に当たって気持ちいい。冷え対策として体の上にはタオルをかけておくのがおすすめ。 ■「遊水風呂」は飛び込んでも、潜っても、泳いでもOKな夢の水風呂 露天側に出ると目の前にちょっと変わった形の水風呂がある。水風呂というよりもはやプールのような存在。そこまで大きくはないが、なんと「GO DIVE」と書かれている。そう、この水風呂は「遊水風呂」で、飛び込んでも、潜っても、泳いでもOKという、水深2メートルの水風呂。これはもうプール! ということで、すぐ横にあるかけ湯で汗をしっかり流したら、遠慮なくダイブ!深さがあるので頭の上まですっぽり水の中。すぐに蹴上がってひと呼吸。気持ちいい!よすぎる!普段はNGのダイブや潜りを堂々とできる夢のような水風呂。やってはいけないことをしている背徳感が、より一層気持ちよさを増長させている気もする。 迷惑にならなければ顔をつけて泳いだっていい。おすすめは背泳ぎスタイルで頭を水に浸けた状態で浮かぶこと。これは相当気持ちいいので混んでいなければぜひやってほしい。 ここで注意したいのが、サウナから出てきたらかけ湯をしてほしいということ。特に、潜るならかけ湯は頭から!頭皮も含め全身の汗を流そう。通常の水風呂では首から下しか入らないので、汗を流すときにも首から下、あとは顔にかいた汗を流せば基本OK。だが、潜るなら頭皮の汗もきちんと流しておきたい。「汗を流して」という注意書きがあるわけではないが、お互いが気持ちよく利用するためにちょっとした気遣いは大切だ。 また、気をつけたいのが「キング&クイーン」のサウナは小学生以上ならOKなところ。この遊水風呂も水深2メートルだが、保護者が付いていれば小学生でも入ることができる。そもそもサウナはゆっくり入りたい人も、ちょっとおしゃべりしたい人も楽しめるというのがコンセプト。なので、今主流となっている「黙浴」はマストではない。小学生が出入りするので、ドアの開閉も比較的多くなる。その分、設定温度が高いとも言えるし、高くしても常に空気の循環があるとも言える。 特に「遊水風呂」は飛び込めて、潜れて、泳げるため、小中学生が夢中になっている。サウナを出たタイミングで子どもがたくさんいて入れないという状況もなくはないので、あらかじめ心しておこう。大人も子どもも楽しめるお風呂であり、サウナというのが理想。逆に子どもがいてサウナに行きにくいというパパママたちがここなら親子でサウナ体験ができる。せっかくならサウナのマナーを子どもに教えるのもいいかもしれない。 ■3つ目のサウナは心地いい「ハーブスチームサウナ」 最後に入ったサウナは露天エリアにある「ハーブスチームサウナ」。片面がガラス張りになっていて、日中ならサウナ室に陽の光が差し込む。窓があるサウナも珍しいがここまでガラス張りなのはなかなかない。そこに天然ハーブの香りと程よいミストで、なんだかラグジュアリーな気分になれる。こちらもひな壇が4段あるので、上のほうは熱くなることをふまえて、自分に合った場所を探して座ろう。 設定温度は90度と決して低いわけではないが、ミストとハーブの香りのせいか、とにかく心地いい。何だか優雅な気分になる、裸だけど。アチアチのサウナが苦手な人でも入りやすく、居やすいのでここでじっくり汗をかくのもおすすめ。窓からは「遊水風呂」も見え、飛び込んではしゃいでいる人たちを客観的に見るのも何だかおもしろい。ここを出たら、飛び込もうなどと思いにふけるのもいい。 サウナのあとはちゃんとかけ湯をして汗を流す。水風呂に行くもよし、そのままととのい椅子に座ったりベッドに横になったりして外気浴でゆっくりクールダウンするのもいい。 サウナを楽しんだら、お風呂へ。「キング&クイーン」は地下1300メートルから湧き出る天然温泉。しかもお風呂の種類が多く、「天然温泉×強炭酸の湯」や、炭酸バブルで毛穴をマッサージする「炭酸ヘッドマッサージ風呂」、おひとり様で満喫できる「プライベート風呂」など、とにかくお風呂だけでも満足度が高いので、じっくり、ゆっくり楽しもう。 ■胃袋がいくつあっても足りない充実のサ飯 「キング&クイーン」の大きな特徴が食の充実。驚くほどのラインナップだ。1階にある「KING&QUEEN DINNING(キング&クイーン ダイニング)」には、名古屋の台湾まぜそばの火付け役「麺屋はなび」や生姜焼きの人気店「代々木一八」などコラボメニューが多数。サウナ後にもぴったりのメニューが多すぎて悩む時間を覚悟しよう。 もうひとつの「山水草木」は、うどんやかつ丼などを提供する和食の店。掘りごたつになっている座席で、天ぷらや寿司、うなぎまで食べられる。「つるとんたん」の運営会社のお店ということもあり、うどんメニューが充実。ガッツリ派にはチキン南蛮や味噌カツなどボリュームのあるメニューも。 さらに2階にも「CHEF'S COLLABO」というレストランがあり、人気店とコラボした魅力的なメニューが楽しめる。例えばラーメンの超人気店とのコラボ「KING&QUEEN×飯田商店」や、麻布台ヒルズにも店舗を持つ「日本料理たかむら」、カレーの街・神保町で人気の欧風カレー「Bondy」など、温浴施設で食べられることが驚きの人気店ばかり。1階と2階と合わせるともう、迷宮入りしそうなぐらいの難題だが、ぜひとも悩みまくってお気に入りのサ飯を楽しもう。 ■サウナとは違う発汗!充実の岩盤浴と有料サウナ 今回はサウナをメインに体験したが、岩盤浴エリアも行かずにはいられないぐらい魅力的。特別天然記念物に指定される奇跡の薬石を使い、薪ストーブと囲炉裏でしっかり温まる、着衣で入るサウナのような「炎IRORI」や、種類豊富な天然石に横になって体の芯から温まる「薬HEALTH」があり、それぞれ異なる発汗が体験できる。 岩盤浴エリアには漫画本をそろえた休憩エリアが完備されていて、アニマル柄の館内着で過ごすことができるので、それだけでも楽しめそうだ。温まったあとに入るクールダウンルーム「雪SNOW」ではチラチラと雪が舞っているので見た目からもクールダウンできそう。 さらにさらに、3階には有料温浴ゾーン「スカイハイ」があり、バレルサウナやテントサウナを利用することもできる。貸し切り状態で利用できるので、カップルやグループでサウナを楽しみたいとき、思い切りおしゃべりしたいときにはこちらを利用するのもアリ。 バレルサウナやテントサウナは大人数で入るタイプとは違った熱の回り具合を体験でき、セルフロウリュも自分のタイミングでできるので、いつもとは違ったサウナを楽しめる。 とにかく、まだまだ楽しみ方のある「キング&クイーン」。この規模、この充実感はまさにキングであり、クイーン。時間制限はないので、1日ゆっくりサウナや天然温泉、岩盤浴を楽しんで、おいしいグルメを堪能して満たされよう。 取材・文=岡部礼子 ※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。