AI気候モデル「予想より早く温暖化が進むよ、これ」
2060年に3度上昇する地域が世界の半分以上
研究では、それぞれの地域がいつの時点で1.5度、2度、3度のしきい値を越える可能性が高いかを分析しました。その結果、2040年までに34地域が1.5度を超える可能性が高いそうです。その34地域のうち、31地域は2040年までに2度のしきい値もぶっちぎります。さらに、26地域は2060年までに3度上昇の巨大な壁すら軽々と越えていくと予想されています。 コロラド州立大学の気候科学者で、この研究の筆頭著者であるElizabeth Barnes氏は、同じリリースの中で以下のように述べています。 「私たちの研究は、地域ごとの予測精度を向上させ、不確実性を抑えて、政策立案者、科学者、そして世界中の地域社会にとって実用的な知見を届けるために、転移学習のように革新的なAI技術を気候モデルに組み込む重要性を強調しています。」 Diffenbaugh氏とBarnes氏が、Geophysical Research Lettersに発表した別の研究結果では、温室効果ガス排出量を今後約30年くらいでネットゼロを達成したとしても、2度の壁を越える確率は50%としています。 残念ながら、地球の気候があまりにもおかしくなりすぎると、取り返しがつかなくる変化も出てきます。米航空宇宙局(NASA)によれば、気温上昇は人間を含む地球の生物に対して熱ストレスなどの「危険で連鎖的な影響」を引き起こす可能性があるとのこと。 Diffenbaugh氏は、今回の研究結果が示唆しているものについて、声明でこう話しています。 「私たちの研究結果は、脱炭素化への取り組みや投資がどれだけ成功しても、適応策への投資が不十分であれば、人々や生態系が、今の備えでは対応できないほどの過酷な気候条件にさらされる可能性が高いことを示しています。」 使い古された感がありますけど、本当に温暖化対策待ったなしです。温暖化は待ってくれないのですから。
Kenji P. Miyajima