米保険会社CEO射殺、薬きょうに書かれた「3つの単語」がある言葉にそっくりだった
米保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソンCEOが銃殺された事件で、銃撃現場で回収された薬きょうに「deny(否認)」「defend(防御)」「depose(追放する)」という言葉が刻まれていたことがわかった。 【画像】警察が公開した、トンプソンCEO銃撃事件の容疑者とみられる人物の顔写真 この3つの単語は、保険会社の支払い拒否を批判する「delay(遅延)」「deny(否認)」「defend(防御)」という言葉によく似ている。 「遅延、否認、防御」は保険会社が医療請求の支払いを遅らせ、請求を拒否し、自らの行動を擁護することを意味している。また、保険会社の支払い遅延や拒否を批判した2010年のジェイ・ファインマン氏の著書「Delay、Deny、 Defend」のタイトルでもある。 AP通信によると、アメリカ最大級の保険会社の一つとして知られるユナイテッドヘルスケアは、全米で4900万人以上の顧客を持ち、2023年の収益は2810億ドルを超えた。 その一方で、請求拒否や手続きの複雑化などが、医師や患者、政治家から批判されてきた。 医師らは、保険会社による医療現場への過度の干渉が、治療遅れを引き起こし、患者の回復や生命に悪影響を及ぼすこともあると訴えてきた。 トンプソン氏は12月4日午前7時前、投資家向け説明会に向かう途中にニューヨーク・マンハッタンのヒルトンホテル前で銃撃された。 事件現場の監視カメラ映像には、犯人が背後からトンプソン氏に接近して発砲する様子が映っていた。この人物はトンプソン氏を撃った後、セントラルパークを自転車で通過したことが確認されている。 警察は4日の記者会見で、犯人の動機はわかっていないものの「特定の相手を狙った、綿密に計画された攻撃」とみられると述べた。 また、トンプソン氏の妻は、同氏が脅迫を受けていたもののその詳細については知らないとNBCに語っている。 トンプソン氏はミネソタ州在住で、2021年4月からユナイテッドヘルスケアのCEOを務めていた。