日本各地に出現…話題の超リアル「猫着ぐるみ」いったい誰が作っているの? 意外なプロフィールと製作の舞台裏、ただいま後継者募集中
基本的な材料はホームセンターで調達
三毛猫さんが製作する着ぐるみは主に「猫」で、全てオーダーメイド。製作を依頼してくるクライアントはパフォーマー、物販、販促、ユーチューバーなど、人の目に触れる業種が多いそうだ。 「少なくとも50体はつくったと思います」 ほかにも、自分用に製作した着ぐるみをモデルチェンジした際に、旧型を販売することもあるという。 着ぐるみの構造は一体型ではなく、いくつかのパーツに分かれる。 「ヘッド、手袋、靴、しっぽ、上着、ズボンの6点に分かれます。オーダーはヘッドだけとか、ヘッド+手+しっぽの3点だったり2点だったりさまざまです。重量はフルセットで5kgくらいだと思います」 基本的な材料は、ホームセンターで調達するという。ざっと列挙すると、ヘッドはFRP、アルミ、ステンレス、ウレタン、造形ボード、フェルト、ナイロン生地、ファー(体毛の素材)、その他ファンなどの電気関係。 手はファー、ウレタン、レザー、フェルト。 ボディ上下は、ファー、ナイロン生地、ウレタン、キルト生地、マジックテープ、ファスナー、空調服キット、ベルト、金具など。 尻尾は、造形ボード、ファー、針金、ウレタン、キルト生地。 足は市販の靴、ファー、ウレタン、フェルトなど。 ホームセンターで入手できない素材は、ネット通販で取り寄せるそうだ。 とくに工作が難しい部位はヘッドだそうで、かわいく見えるように工夫が必要だという。製作期間は、フルセットで1か月、ヘッドだけなら1週間くらいかかるとのこと。 「今はお待たせする期間が長くて、ご迷惑をおかけしていますが……」 余談ながら、森のコロコロからクマの着ぐるみをオーダーされたとき、三毛猫さんにはクマをつくった経験がなかった。 「猫以外はあまり経験がなかったので、ファーも未知のものでした。毛の色や質が違うと、いわゆるクマらしさがなくなりますから、ファーはご自身で用意していただきました。クマらしさは、このファーによって成功していると思います」 三毛猫さんが製作する着ぐるみの特徴は、ヘッドとボディに空調ファンを標準装備していることだ。 「ヘッドのファンは曇り止め。ボディには、特別な申し出がない限り標準でつけています。それでも暑いのですけど、ないものよりも着用できる時間は伸びます。空気を巡らせるために内部にスペースをつくる工夫も必要ですが、少なくとも汗びっしょりで異臭がすることがないように努力中です」