【ミニレビュー】「すべての楽音が高精細に」。IsoTekのクリーン電源「V5 TITAN」
いま話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今回は、電源関連製品でおなじみの英IsoTek(アイソテック)から、3口コンセント搭載のクリーン電源「V5 TITAN」の効果をチェックする。 【画像】「V5 TITAN」の背面。3口の電源コンセントを装備する すべての楽音が高精細で解像度もアップ 高出力コンセントを3つ備えるIsoTekのクリーン電源「V5 TITAN」。アンプとSACDプレーヤーに給電させる形で聴いてみた。 ダイアナ・クラールの『LIVE IN PARIS』が素晴らしい。音場が前後左右上下に拡大するうえ、きわめて静かになる。これだけでも導入する価値を実感できるほどだが、加えて解像度が激的に高まる。ブラシワークもフルートも、とにかくすべての楽音が超高精細で、それぞれの残響音も完全に消えるまで容易に耳で追える。 ハイ・ファイ・セットのやや古い録音も、その魅力を引き立てる。力感が高まって、その余裕が抑揚表現のダイナミックレンジをも拡大させるのだ。「星のストレンジャー」冒頭の喧騒も、エッジを丸めることなく歪みが取り除かれ、音数を増やす形で聴きやすくなるのだから大したものだ。 ミケーレ・ラッビア『Lost River』の3次元的な音像展開も凄い。各音像の位置だけでなく形状・軌跡も立体感豊かなのだ。自宅試聴する際は欲しくなってしまうことに覚悟が必要な製品である。
園田洋世