DJブースにパン食い競争も!?常識を覆す試み満載の「On」が始めた“新しい陸上”イベントが話題沸騰
インフィールドではシューズの試し履きも
さらに画期的だったのは、Onの提案でスタンドと芝生のあるインフィールドをブリッジでつなぎ、インフィールドに自由に出入りできるようにしたことだ。アスリートと観客の距離はさらに縮まった。 それだけではない。インフィールドではOnの最新シューズの試し履きやスポーツ用義足の体験、鬼ごっこなど走る楽しみを感じるイベントを実施。観客はレースの合間もアクティブに動き回った。 さらにトラックの外側にはフードやドリンクのブースを用意。「お祭りや縁日に来ているみたい」との声も上がったように、これまでの陸上競技の大会では見たことがない光景が広がった。観るだけではなく、遊んだり、食べたりできる自由な空気感は、まさにフェス。新しい陸上の形を示した。
オリンピック選手も激走!
実施した種目は、男女のトップアスリートが競う800mと1500m、ランニング系インフルエンサーが対決する1000mなど。パリ五輪800m出場、阿見AC所属のグエム・アブラハム選手やグローバルチームOAC(On Athletics Club)所属の中長距離ランナー4人もオーストラリアから参戦し白熱したレースを展開。バックストレートに設置したトンネルをはじめ選手入場時の火花、ゴール地点のスモークなどこれまでの大会にはない華やかな演出も目を引いた。 1500mで優勝したOACのジェシ・ハントも観客と選手が一体となって盛り上げるこの大会を満喫した様子。「来年も開催されればぜひ参加したい」と話した。 レースを楽しんだのは選手だけではない。パン食い競争には、観客約250名が参加。年齢も性別も走力も関係なく競い合い、大いに盛り上がった。 「これぞ日本の走るエンタメ。他都市のOn Track Nightsでもやりたいですね。パリはクロワッサンで」とクリストファー。
心に大きな爪痕を残した熱狂の一夜
観るだけではないたくさんの走る楽しみを提供したOn Track Nights: MDCは最高潮の盛り上がりを見せて終了。ボランティアとして参加した1人は「終わったあとも余韻がすごくて、もう1週間近く経つのにまだ興奮が続いています。本当に楽しかった」と話す。 「これだけの熱狂を生み出せたのは陸上競技がもつパワーをうまく引き出せたから。これまでになかったものを作り上げたという点で、オリンピックに出場したとき以上の達成感がありました」と横田。 アスリートと観客、そして大会を支えたボランティアや主催者も熱狂した一夜となった。
文:今泉愛子 写真:TWOLAPS、オン・ジャパン