ルーキーはミスを恐れずに前向きに戦え。移籍1年目の選手は自分を見失うことなく、結果で自分の存在価値を高めていくことだ【張本勲の喝!!】
優勝を意識できる緊張感
写真は1976年、巨人移籍1年目の筆者。右は高田繁[写真=BBM]
ペナントレースも10試合ほど消化したところだろうか。各球団とも全チームとの対戦を終えておらず、まだまだこれからだが、良いスタートを切れた選手もいれば、そうでない選手もいるだろう。どちらにしろ長いペナントレースだ。反省は必要だが、その日の結果に一喜一憂することなく、やるべきことを続けていってもらいたい。 今季も開幕からルーキーたちが躍動しているが、彼らの活躍も楽しみだ。私も高校を卒業して東映に入団した1年目(1959年)、六番・左翼で開幕スタメンを飾った。プロ初打席は米田哲也さん(当時阪急)の剛速球に手も足も出ずに空振り三振を喫し、直後の守備では“バンザイ”してベンチに下げられたことを思い出す。最悪のプロデビューで、これで二軍行きかと思っていたら、翌日もまたスタメンだった。その第1打席で二塁打を放ち、続く第2打席ではプロ初本塁打。これで私の印象はガラリと変わった。前日の失敗をすぐに取り返し、以後もスタメンで使ってもらうことができた。 ミスをしない選手はいないし、特にルーキーならなおさらだろう。プロのレベルはアマと比べて一段も二段も上だ。ベンチもルーキーのミスは、ある程度、覚悟している。それでも起用するのは、それだけのモノを持っていると期待しているからだ。大切なのはミスをしないことではなく、そのミスを跳ね返すだけのプレーを見せること。ルーキー諸君は、これを肝に銘じてもらいたい。 そしてルーキーとともに私が注目しているのは、移籍1年目の選手たちだ。トレードやFA、あるいは球団から戦力外を通告されたものの、新しい球団と契約できた選手たち。さらに今年は現役ドラフト組もいる。 WBCでも活躍した近藤健介はFA権を行使し、日本ハムからソフトバンクへと移籍したが・・・
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週刊ベースボール