塩野瑛久が語るMMORPG「スローン・アンド・リバティ」での魔法使い役とゲームへの思い
――映像のない収録現場での役作りは大変だったと思いますが…。 「収録するにあたり『スローン・アンド・リバティ』の世界観と、ルテインのキャラクタービジュアルを見て、声をイメージしていくという作業から始めました。セリフを読んで自分なりにそのシーンを想像したり、監督と『こういった感じでやってみよう』と、すり合わせをしながら進めていきました。そして、各セリフを言う時間(尺)も決まっているのですが、自分のセリフを時間内に合わせる作業は少し難しかったです」 ――日頃、役作りで心掛けていることはありますか。 「僕は、思ったことも経験したこともない感情を表現するとうそくさくなってしまうのではないかと思っているので、自分が元々持っている感情や経験したものを膨らませて近づけていくことを心掛けています。声優に関しては、まだまだ分からないことだらけですが、総じて演じることでというと、その物語を一つ一つのセリフで紡ぎ、(ゲームを)プレーされる方や視聴者に届けることが必要だと思うので、そこは大事にしていきたいです」
――ドラマや舞台での演技と、声優としての演技に違いはありましたか。 「ドラマや舞台は、セリフはもちろん、表情も全身で表現したりしますが、声優の方は、ご自身の声だけでキャラクターの感情を表現されるので、すごいなと思いました。例えば表現方法の一つとして『セリフをしっかり発声せずに言う』ということもあるそうですし、声色が明るくても実は心の内は傷ついているといった場面を表現しなければいけなかったりするので、声だけで表現する難しさもすごく感じました。収録の時、頭の中でイメージして、いざマイクの前に立ってセリフを言うのですが、役にフィットさせるまでは心に余裕がなくて…。そこは自分がまだまだ足りていないところですが、この仕事を通じてやりがいのある貴重な経験ができました」 ――ルテインのセリフで印象に残っているところや「ここはぜひ注目を!」というところを教えてください。 「今回、2回にわたって全部で約366種類のセリフやフレーズを収録しました。収録の2回目に新しく追加されたセリフの中に『魔術師』や『魔術図式』など、すごくかんでしまいそうなセリフがふんだんにあって…。思わず『これ、試されているのかな』と感じてしまいました(笑)。とにかくすごく練習しましたし、印象深かったです。プレーしていただいた際には、ぜひそこに注目して聞いてほしいです」