取材ノート 「ぶれない」経営姿勢
■今年の夏は、中小企業の子ども向け仕事体験イベントを多く取材した。印象に残ったのは、亀山市の運送会社で行われた見学会。大型トラックの助手席に乗ったり、フォークリフトの操作体験といった内容で、子どもたちは終始、目を輝かせながら楽しんでいた。 トラックドライバーの人手不足は深刻。ただ、見学会を実施した運送会社も同じ状況かと思えばその逆。毎年高卒を数人ずつ安定して採用しているほか、離職率は業界平均を大きく下回るなど「物流の2024年問題」とは無縁だった。 この会社は職場環境の整備に長年注力してきた。給与体系の見直し、男性社員の育休制度充実など、数々の改革が背景にある。 社長は「今は人手に困る状況ではない。でもこの先、どう転ぶかわからない。見学会は、ドライバーの魅力を伝えることで、将来の職業選択のきっかけになってもらえたら」と語る。常に先を見据えたぶれない経営姿勢が持続的な会社運営を支えているのだろう。
■桝田 宏行(ますだ・ひろゆき)四日市支局に勤務。三重県北勢地域を担当。8月は子どもを連れて「ナガシマジャンボ海水プール」へ遊びに行く計画を立てていたが、子どもの風邪と台風10号の影響で2回延期した。3度目の正直は果たしてあるのだろうか。