アダストリア、「ディーン&デルーカ」運営企業から雑貨業態「トゥデイズスペシャル」「ジョージズ」買収
「ディーン&デルーカ」の
「ドットエスティ」出店も期待
ウェルカムは「ディーン&デルーカ」が主要業態ではあるが、「トゥデイズスペシャル」は「収益性は最も高い」(横川社長)事業であり、「ジョージズ」は30年前から運営する同社の祖業だ。「コロナ禍以降、今回の2ブランドを含めインテリアや雑貨業態は追い風にある」と横川社長が語る中でも売却を決めたのは、「すべての事業を同等に成長させるリソースが社内にない」ため。「われわれは(新コンセプトの業態開発など)ゼロをイチにすることに長けているが、(店舗の運営が各店の裁量に拠っていたり、雑貨の生産背景も未開拓の部分が大きかったりと)ある程度育った事業をさらに成長させるには、アダストリアのリソースを生かした方がいい」と判断した。
パルの「スリーコインズ(3COINS)」に象徴されるように、コロナ禍の巣ごもり期間を経て、雑貨業態の躍進が著しい。「コロナをきっかけに、お客さまのお金の使い方は確実に変わった。何が幸せかをお客さまが再考した結果、服は以前に比べて買われなくなり、消費がライフスタイル重視に変わった」と木村社長。両社長は15年来の付き合いといい、木村社長は「マック(横川社長の愛称)は僕のライフスタイルの先生。ニューヨークやロサンゼルスに出張する際は、必ずマックに今行くべき飲食店やショップを聞く」と語る。アダストリアとしては今回の買収をきっかけにウェルカムとつながりを深め、他社の乗り入れを進めている「ドットエスティ」への「ディーン&デルーカ」の出店といった青写真も描く。