パウエルFRB議長、利下げ急ぐ必要ない-経済は目覚ましく良好
12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げが行われる可能性については言及しなかった。
米経済は力強いペースで拡大を続けており、過去2年間の成長率平均は約3%に達した。労働市場は落ち着いてきたが、なお底堅い。
パウエル議長は労働市場について「堅調」だとし、多くの指標から見て、最大限の雇用の実現の責務に沿った「より正常な」水準に戻っているとの見解を示した。
「供給情勢の改善が、足元の力強い経済パフォーマンスを支えてきた」とした上で、「労働力が急速に拡大したほか、過去5年間の生産性上昇率がコロナ禍前の約20年間を上回るペースとなったことで、経済の生産能力が高まり、過熱を伴わずに経済が急成長できている」と論じた。
トランプ氏の政策
トランプ次期大統領が減税や移民、関税に関する選挙公約を実行した場合、来年の金融政策は影響を受ける恐れがある。
質疑応答でパウエル議長は、新たな財政・通商政策を予想して当局が方針を変えるのは時期尚早との従来の主張を繰り返した。「行動する前に、政策変更が経済に及ぼす正味の影響を見極める時間はあると思う」と述べた。
また新たな関税の賦課の場合、貿易相手国・地域の反応が米国への影響を複雑化させ、経済成長に対するマイナスの影響が、財政政策で得られるプラス効果に逆行する可能性があると強調した。
「報復措置はどうなるのかということだ」とした上で「しかも、それは景気を支えるような財政政策が実施されるとみられる時期と重なるだろう。正味の影響は実際にどうなるだろうか」と語りかけた。
原題:Fed’s Powell Says No Need to Hurry Rate Cuts With Economy Strong、Powell: If Data Let Us Go Slower, Seems Like Smart Thing to Do、Fed’s Powell Says No Need to Hurry Rate Cuts With Economy Strong、(抜粋)
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Craig Torres, Catarina Saraiva