野菜くずを捨てないで！

料理の時に必ず出てしまう野菜の切れ端やヘタ、芯、皮などの部分は捨ててしまうという人も多いのではないでしょうか？実は、その捨てている部分には栄養素が詰まっています。そこで、今回は栄養価が高く美味しいベジブロスについてご紹介します。 〈写真で見る〉管理栄養士が教える、野菜を無駄なく摂取できる「べジブロス」の作り方 ■ベジブロスとは ベジタブル（野菜）＋ブロス（だし）を略したものが、ベジブロスです。ベジブロスで使用する野菜は、通常捨ててしまう皮やヘタ、タネなどの野菜くずが多いですが、実はこの部分に栄養素が豊富に含まれています。 ■ベジブロスをおすすめする3つの理由 ■■フィトケミカルが摂取できる 第7の栄養素として注目を浴びている「フィトケミカル」が豊富に含まれているのが、ベジブロスをおすすめする1番の理由です。抗酸化作用の強いフィトケミカルは、皮やヘタなどの外側の部分に豊富に含まれています。しかし、細胞壁に守られており、そのままでは体に吸収することが難しいです。そこで、弱火で煮込んで、細胞壁を壊すことで、体に吸収しやすい形に変わります。 ■■野菜を無駄なく摂取できる ベジブロスは普段、野菜くずとして捨ててしまう皮やタネ、ヘタなどを活用するため、野菜を丸ごといただくことができ、フードロスを減らすことにもつながります。 ■■アレンジしやすい ベジブロスには決まったレシピがあるわけではないため、野菜の種類や配合により風味や味わいが変わります。また、植物性のみでクセがなく、いろいろな食材との相性もよいため、和洋中さまざまな料理に活用しやすいです。 ■ベジブロスを作る時に気をつけたい2つのこと ■■苦味やアクが強い野菜ばかりにならないようにする 基本的に、ベジブロスの材料はどんな野菜でも問題ないです。しかし、ピーマンやゴーヤなどの苦味やブロッコリーやキャベツなどのアクの強い野菜ばかりになると、美味しくないと感じる可能性が高まります。そのため、他の野菜とバランスよく組み合わせることがおすすめです。5種類以上の野菜を組み合わせるとことで、味に深みが増すと言われていますよ。 ■■できるだけ無農薬の野菜を選ぶ 野菜の外側は、栄養素が豊富に含まれているだけでなく、農薬が残留しやすい部分でもあると言われています。そのため、気になる人は、できるだけ無農薬や減農薬、オーガニックのものを選択するとよいでしょう。また、手に入らない時には、50℃洗いや重曹、ホタテパウダーなどで洗うというのもひとつの方法ですよ。 ■ベジブロスの作り方 ベジブロスは誰でも作れるくらい簡単です。両手いっぱいの野菜くずを鍋に入れ、約1.3ℓの水と臭み消しのための小さじ1の酒を加えて弱火で煮込みます。約30分弱火で煮込んだら、黄金色のスープになるため、ザルで漉したらできあがりです。 ■ベジブロスの保存方法 ベジブロスは冷蔵と冷凍での保存が可能です。冷蔵保存する場合は、3日を目安に食べ切ることをおすすめします。3日以内に食べきれない場合、冷凍保存するとよいでしょう。冷凍保存することで1ヶ月は保存可能です。冷凍保存する場合は、製氷皿や保存袋に板状に広げて保存することで、使いやすくなります。 ■ベジブロスで野菜を丸ごと全部いただこう ベジブロスは生では摂取できない栄養素を吸収でき、野菜のうま味・甘みが詰まっているため、塩で味を整えるだけでも十分美味しいです。料理の時の水代わりとして使用することで栄養価だけでなく美味しさがアップします。野菜の栄養を丸ごといただくのにはピッタリなので、ぜひ、冷蔵庫に眠る野菜で作ってみてはどうでしょうか？ ライター/管理栄養士　亀崎智子 管理栄養士×セラピスト（野菜ソムリエ・中級食品診断士 ）。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。 協力/NS Labo