すべてが好調な「40代」に必要なもの! 2024年は「筋肉」でメンタル・睡眠・体力・ダイエットすべてを上向きに
年を重ねるほど、美しさを決めるのは筋肉
他人にはわからなくても、自分はごまかせない。40代の声を聞くと肌よりも確実に、切実に、年齢を感じる体。その体を支える土台となるのが筋肉だ。産婦人科専門医でスポーツドクターである高尾美穂先生が解説する。 【写真】57歳の元スーパーモデルが、いまも "ピチピチの腹筋" をキープしているワークアウト法 「最近ではエイジングをポジティブに受け止める流れもありますが、とはいえ老けて見えるのは避けたいと思っているはず。その場合、大事なのは数字より見た目。体重が何kgで体脂肪が何%で、じゃないんです。痩せていても背中が丸く、目線が落ちていたら、素敵には見えない。そこに深く関わるのが筋肉。しゃんとした背中も、美しい首筋も、筋肉なしには語れません」 薄々感じていた、美しさには筋肉維持が不可避だということを。そして筋肉は、進化した医学をもってしても、いくらお金を積んでも、努力せずに増やすことはできない。「脂肪の場合、人の手を借りないと部分痩せは難しく、自力でがんばると全体が減ってしまう。でも筋肉は違います。意識してピンポイントを増やせる、セルフコントロールが可能な臓器なのです」。 お金をかけなくても、意志さえあれば!というと朗報に聞こえるけれど、でもちょっと待って。年齢制限は? 「何もしなければ全身の筋肉量は30代をピークに減っていきます。そして40代後半になり女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減るにつれ急降下。でもあきらめずにトレーニングをすれば、90歳でも筋肉を増やせることが実証されています。もちろんそれは簡単ではなく、一般的な女性のエクササイズレベルで筋肉がぐんぐん増えるわけではないので、まずは減らさないことを目標に。年齢ととともに減るのがデフォルトと考えれば、現状維持は進化です。とにかく続けることが大切」 体を支え、動かし、エネルギーを貯蔵する筋肉。筋肉量の多さがイキイキとした印象に比例することは疑う余地がなさそうだ。
ダイエットにも冷えにも◎。筋肉は女性の悩みに寄り添う味方
では、あらためて筋肉を維持するメリットとは? 「まずは肥満の予防。筋肉はいろいろなものを消費してくれる臓器です。食べたものを胃で消化し、大腸で吸収し、筋肉が消費しています。運動をしなくても、筋肉量が多ければ基礎代謝が高く、安静時でもエネルギーを使うので食べても太りにくい。筋肉量が少ない人は基礎代謝が低く、それほど食べていなくても太りやすいのです」。“食べたいけど太りたくない”を実現してくれる尊い存在、それが筋肉なのだ。 さらに女性特有の悩みである“冷え”にも、筋肉が効く。「冷えを根本的に解決したいなら筋肉にアプローチして。筋肉は体の中で唯一熱を生める臓器。逆に脂肪は冷却装置なので、筋肉の周りが厚い脂肪層で覆われていると保温効果を発揮できません。筋肉量を増やせば自ずと脂肪は減り、温まりやすく冷えにくい体に」。最近の研究では、筋肉から分泌されるサイトカイン(生理活性物質)が、骨を強くしたり、大腸がんのリスクを減らすなど、健康長寿に役立つ可能性が注目されているという。