”バブル期のティラミス”のような爆発的ブームが起こったら「日本復活したな」と思ってもいい。【エリックサウス・稲田俊輔さん】
でも、その感覚が天才的な人がいる。例えばかつて「モンスーンカフェ」を大流行させたグローバルダイニングさんは多分、天才的なさじ加減の人があまり深く考えずに「これくらいじゃない?」ってやったのが正解だったのでは?と勝手にイメージしています。「エリックサウス」コラボのビリヤニを販売してもらっているセブン-イレブンさんにもそれを感じます。ガチに振る、またはがっつりローカライズする、その二つの方法は知っているのでノウハウをお伝えするんですけど、ガチとローカライズの間の一体どこが丁度いいのか、自分にはさっぱりわからなくて。でも彼らはその丁度いいさじ加減を「ここ」ってピタッと当ててくるんです。 多くの飲食店とのコラボ商品を販売しているだけあって、丁度いいさじ加減を当てるノウハウの蓄積があるのでしょうか。稲田さんにとって理想的な「異国の味」を提供するレストランとは? 今後もしご自身で新しく「異国の味」を提供するレストランをやるとしたら? 稲田:完全に開き直って原理主義で突っ走ってるお店は単純に大好きですし、リスペクトします。でも同時に、せめぎ合いを上手いことスタイルに昇華させているお店、上手くバランスを取ってある程度の規模まで拡大させているお店を見ると、グッと来ますね。ひたすら原理主義に突き進むのは、ある意味簡単。でもバランスを取るのはもっとテクニカルだったり、仕掛けが複雑だったりする。完全にローカライズに振り切って間口を拡げようとすると、全然面白くないですし。だから程良くキャッチー、でも程良く芯の部分は残しているお店に個人的に惹かれます。ドイツ料理だと、ビアレストランのシュマッツさんはまさにそう。そこそこ店舗数を展開していて、少なくとも日本ではあまり盛り上がっていないドイツ料理最大の立役者的な役割を自覚されている感じがある。そしてそれを上手くメニューやお店のスタイルに落とし込んでいて、とても参考になります。