津波避難時、板を蹴り鍵開け可能に 富山市指定の小中学校
富山市は、津波が発生した際の緊急避難場所に指定している小中学校の1階扉の一部を、蹴破ることができるようにする。避難時に板を蹴破って手を入れ、内側から扉の鍵を開けられるようになる。津波から避難するため、屋上扉の鍵を入れておくボックスも設置する。12月補正予算案に事業費を計上した。 能登半島地震で、避難所を開設する市職員よりも避難者が先に到着し、窓ガラスを割って中に入ったケースがあったことに伴う対応。休日や夜間でも施設内に入り、上階や屋上に垂直避難できるようにする。市の指定緊急避難場所26カ所のうち、10校にキーボックスや蹴破り板などを整備する。 1階扉の蹴破り板は、学校が指定した扉の上部や下部など一部に整備。蹴破ってもけがの恐れがない材質で、扉の場所や避難経路を示す誘導サインも掲示する。防犯対策として扉付近にはセンサーライトを設置する。 キーボックスは揺れを感知すると自動で開くタイプで、屋上への出口付近に設置する。ダイヤル錠でも開けられる。屋上への外階段がある学校や屋上に柵がない学校には設けない。
指定緊急避難場所は津波が起きても浸水しない想定だが、垂直避難によって安心感を持ってもらう。