「総力戦で勝ちにつなげていこうと」ベテラン&若手がかみ合い、SAGA久光スプリングスが連日のフルセット勝利【SVリーグ女子】
◆バレーボール・大同生命SVリーグ女子 NECレッドロケッツ川崎2―3SAGA久光スプリングス(3日、川崎市とどろきアリーナ) SAGA久光が連日のフルセット(25―22、22―25、19―25、25―21、15―13)の激闘の末に昨季2冠のNEC川崎を連破した。 ■新ユニホームで3人娘がかわいい~~ポーズ【写真】 レフト対角を組んだ入団3季目の深澤めぐみ(21)が19得点(内サーブ2得点)、同2季目の北窓絢音(20)が17得点(内サーブ1得点)の活躍で攻撃をけん引した。SAGA久光、NEC川崎ともに4勝4敗。次節(9、10日)のSAGA久光は神戸市の神戸総合運動公園体育館で5勝1敗の埼玉上尾メディックスと対戦する。 SAGA久光にとっては、前日(2日)のリプレーを見ているような展開でのセットカウント1―2からの逆転勝ちだった。「苦しい中で取り切った2連勝だったので素直に喜びたい」。若手アタッカーコンビが随所で決定打を繰り出しての価値ある勝利だけに、試合後の酒井新悟監督(55)の第一声にも実感がこもった。
後がない状況で奮闘したベテラン
後がない第4セットは6―7から長岡望悠(33)のブロックポイントを皮切りに5連続得点。その間に飛び出した深澤の2本のサービスエースが勢いをつけた。相手の得点を挟んで、11―8からは北窓のアタックを起点に4連続得点で一気に突き放した。2人は最終第5セットも躍動。北窓が3―5からパリ五輪代表の和田由紀子(22)の強烈なジャンプサーブをレシーブ後に、体勢を立て直して自らスパイクを決めれば、深澤も負けじとハイセットを何度も打ち抜き、追いすがろうとするNEC川崎に流れを渡さなかった。 この試合でNEC川崎のサーブを受けた回数は、北窓がチームで最多の39回に上り、深澤が25回。サーブターゲットになってもひるまなかった。リベロの西村弥菜美(24)が広い守備範囲と声がけでカバーするなどチーム一丸となって2人をもり立てた。レシーブが乱れてセッター以外の選手がトスを上げるような状況になっても、平山詩嫣(23)や荒木彩花(23)らが丁寧に対処した。「相手のサーブに苦しめられる展開が続いた時間帯もありましたが、我慢して最後勝ち切れた」と酒井監督もうなずいた。 ヴィクトリーナ姫路と大阪マーヴェラスに連敗し、開幕早々に迎えた逆境をはね返した。しかも昨季覇者のNEC川崎のホームで挙げた2勝の意義は大きい。 第3セットからコートに入り、17得点(内ブロック1得点)の安定したパフォーマンスで逆転勝利に導いた長岡がチームの思いを代弁した。「全員の総力戦で何とか勝ちにつないでいこうという試合でした」。ステファニー・サムディ(26)が「2枚替え」で攻撃のリズムをつくり、リリーフサーバーとして開幕から奮闘している高卒ルーキーの高橋葵(18)は効果的なサーブに加えて、守りでも貢献した。 この日、レギュラーシーズン通算230試合出場となった長岡はそうしたチーム状況を踏まえて「みんながつないでくれたものを…勝ちをつかめるように」との言葉で締めくくった。チームにとって自信と勇気になる二つの貴重な白星。手にしたのは決して勝利だけではない。 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社