老いた自分と対面「老化アプリ」想定外の利用価値 「未来の自分」を知ると人生が充実する不思議
さらに重要なのは、こうした老け顔アプリは老いた自分を知る契機にはなっても、それ以上のものではないということだ。研究者ダニエル・バーテルズとオレグ・ウルミンスキーは、行動を変えるために認識すべき点が2つあると述べている。 1つは、年月が経てば誰でも未来の自分になること。そしてもう1つは、現在の自分の行動が未来の自分の人生を左右すること、である。 そうした認識が十分にできていれば、老け顔の画像は行動を変える助けになるはずだ。メガネが視力を調整し、人工内耳が聴覚を補助するように、老いた画像は想像力を刺激し、未来の自分を重要視するようになり、共感力を高めてくれる。
つまり、未来の自分をより身近に感じさせてくれるツールであり、脳内タイムトラベル力をアップさせるための1つの戦略といえるだろう。
ハル・ハーシュフィールド :UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント教授