「責任を痛感している」西武HD株主総会で後藤オーナーが異例の2008年“日本一再現”を誓うロングスピーチもチームは5連敗でシーズン100敗ペースの泥沼
西武ライオンズの親会社である西武ホールディングスの第19回定時株主総会が21日、埼玉所沢市のくすのきホールで439人が参加して1時間39分にわたって行われ、最下位に低迷、交流戦前に監督が交代するなど苦しい戦いが続いている西武ライオンズに関する質問、意見が12人中、半分の6人の株主から飛び出した。株主からは苦言が続き、後藤高志オーナー(75)が異例とも言える約5分間のロングスピーチで再建と改革を誓ったが、チームは京セラドーム大阪で、オリックスに0-2の完封負けで5連敗。借金は26に膨らみ、勝率はついに3割を切り、シーズン100敗ペースの非常事態となった。 【画像】「乃木坂46」向井葉月さんがポニテなびく“世界一可愛いワインドアップ“を披露
目を覆うほどのチームの低迷に西武HDの株主も黙ってはいられなかった。リーグ戦再開の日の午前中に所沢で開催された株主総会で、12人の株主が質問に立ったが、実に、その半数の6人が西武ライオンズに関する質問、意見を口にした。 「今年は残念な結果が続いて悲しい気持ち。かつては強いチームの印象があった。監督はOBでなくても勝てる監督にこだわって下さい」 女性の株主が監督人事について突っ込むと会場から拍手が起きた。 2軍監督、ヘッドコーチの英才教育を経て監督に据えたOBの松井稼頭央氏が、2年目のわずか45試合で事実上の“解任”。渡辺久信GMが兼任の監督代行として交流戦から指揮を執っているが4勝14敗で最下位である。 回答に立った奥村剛球団社長は、まず「成績がふるわず、ご心配をおかけしご期待に応えられないことを申し訳なく思っています」と謝罪。 「監督の人事につきましては。現状の戦績を分析、議論を重ねて監督代行には、シーズン途中であることから、現状を把握している渡辺GMに代行監督をお願いしました。まずは、この布陣で上位を目指して勝利に執念をもって戦っていく所存ですのでご理解をお願いします。(勝てる監督にこだわれとの)ご意見をしっかりと受けとめてこれから勝てるチームを作っていきたいと思っております」との模範回答を続けた。 また「強くないと見に行きたい気持ちが薄れる。西武は周年で優勝している。2018年は40周年。2028年の50周年に向けて着実に力をつけて優勝を目指して欲しい」と、長期的な再建を願う意見や、「チームが緩い」と断罪するシビアな声まで出た。 「チームが緩いのではないか。キャンプが短く、コーチもOBで上下(1、2軍)の入れ替えばかりで外部の血が入っていないことも緩さのひとつ。また根底に(チーム強化の)お金がないのでないかと、今年に限らず例年言われている。グッズを配るのではなく、勝つことが最大のファンサービスで集客につながる。今は、平日だけでなく、土日でも(ベルーナドームの観客席に)空きがある。これが改善されるようにチームを根本的に立て直していただきたい。後藤オーナーは、“ライオンズは西武の顔でバックアップする”と言っているが、時々ハテナ(?)が出る。今後とも西武に力を注いでいただきたい」 会場はその意見を支持する拍手で包まれた。 今年のキャンプスタートは、他球団からワンクール遅れての2月6日からだった。そして、現在の1、2軍コーチには、元楽天監督の平石ヘッド兼打撃戦略コーチや元広島の嶋打撃コーチ、2軍には阪神からトレードで移籍した榎田投手コーチらがいるが、やはり生え抜きOBがほとんどを占めている。 これには、奥村球団社長に続き、西武HDの代表取締役会長兼CEOの後藤オーナーが回答に立った。約5分間にわたる異例のロングスピーチだった。 「多くの株主さんからご意見を頂戴しました。昨シーズンは5位、今シーズンは残念ながらリーグ最下位と大変厳しい状況でございます。オーナーとしての責任を痛感しております。しっかりとチームを再建すると、社長の奥村がお話しましたように、これからしっかりと取り組んでまいります」 後藤オーナーは、自らの責任を明かした上で、こう続けた。 「過去にも、色々なチーム不振等々がございました。とりわけ2007年はスカウト問題で非常に厳しい状況になりました。当時、ファンの皆様、メディアの皆様から、大変厳しいお叱りを受けておりました。そういった状況を踏まえて2007年にライオンズの改革委員会を組成いたしました。ライオンズに対する、ご指摘、ご意見をいただき、もちろんファンの皆さんからも、色々なご意見を頂戴した中で、我々としてチーム改革に取り組み、やはり強いチームを目指していくことと、より地域に密着したチーム作り、ライオンズの歴史をしっかりと踏まえてチーム作りをやっていくということで、フランチャイズである埼玉県の名前を冠して、埼玉西武ライオンズとして戦いました」
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