DICKPUNKS「初恋、この歌」で2年7ヶ月ぶりにカムバック“バンド存続の危機も…新事務所がサポートしてくれた”
バンドのDICKPUNKSが、長い空白期を経てカムバックした。 DICKPUNKSは先月、ニューシングル「初恋、この歌」をリリース。今回のカムバックは、2022年にリリースした「SUːM TIMES」以降、なんと2年7ヶ月ぶりだ。 メンバーのキム・テヒョンは「僕たちが最後のアルバムをリリースしてから2年7ヶ月もたっていたなんて、気づきませんでした。なぜなら、その間もずっと活動していたからです。しかし、実際に数えてみたら空白期が長かったです。反省もしていますし、もっと頑張らないとと思いました」と心境を伝えた。 ブランクが長くなったのは、メンバーたちの音楽への悩みが深かったからだという。キム・ジェフンはこの2年7ヶ月について、「悩みが深かった時期」とし、「メンバーたちと音楽制作してデモも20曲以上作ったのですが、これから僕たちがどのような音楽をやっていくべきなのかすごく悩んでいました。どのようなジャンルがいいか、どのような歌詞を書くべきか決められなくて、ずっと遅れていました。音楽に対する答えを探せない状況だったので、時間がかかったんです」と語った。 キム・ヒョヌは「周りにDICKPUNKSらしい音楽をやりたいとずっと言ってきたのに、音楽作業中にDICKPUNKSらしいというのが何なのか分からなくなったんです。それを探すのに時間がかかりましたが、僕たちが望んでいた事務所に入って話し合った末に、(新曲を)リリースすることができました」と、今もDICKPUNKSらしさの答えを探していると明かした。 キム・テヒョンは「僕たちが長い間、音楽を作ってバンドをやっていく過程で感じたのが、僕たちの音楽を客観的に評価できるプロデューサーがいたらいいなということでした。今の事務所を選んだのも、確信をくれるプロデューサーさんがいたからなんです」とし、「そのため、今後の方向性も決められるだろうと楽しみにしています」と語った。 新曲「初恋、この歌」は、短い映画を観ているような幸せな記憶を思い出させる、ロマンチックなポップサウンドのナンバーだ。聞くだけでも胸がワクワクするようなメロディーが、切ない初恋を連想させる。 キム・テヒョンは、同曲でカムバックすることになった理由について、「初恋という言葉だけを見ると恋の話ですが、ある話が最初に始まる時のときめきと似ていると思っています。僕たちが移籍して初披露する、そして久しぶりにリリースする作品でもあるので、そのような最初のときめきがあって、ぴったりだと思いました」と伝えた。 そして「メロディーがすごくいいと思いました。最近の音楽は、メロディーがあまりないと考えていたんです。同曲のガイドを最初に聞いた時、メロディーが与えるエネルギーがよく表現されていました。僕の声にも合いそうだと思いました」と明かした。 また、キム・ヒョヌは「大ヒットまではいかないとしても、『VIVA青春』くらいの反応を期待しています」と願いを伝えた。 同曲は、来年初めに発売されるEPアルバムに収録される。メンバーたちは、EPアルバムの全般的な雰囲気にも言及した。キム・テヒョンは「20曲くらいデモを作ったのですが、おそらくその中から選んだ曲で(アルバムが)完成すると思います。新たにいただく曲もあって、新たに作る曲もあると思いますが、ジャンルはまだ分かりません。全般的な雰囲気は、アンティークだと言えます」と予告した。 さらにキム・ヒョヌは「僕たちがキーボード、ベース、ドラムを扱うため、ダンサブルなジャンルはできないので、その中でさらに成熟した姿を見せることになるのではないかと思っています」とつけ加えた。 長いブランクの間、音楽に対する悩みが深かっただけに、DICKPUNKSは活動を再開できるようサポートしてくれた新事務所への感謝と信頼を示した。 キム・テヒョンは「ミックスバージョンを聞いた時、『これがサウンドなんだ』『サウンドってこんなに重要だったんだ』と思いました」とし、「僕たちが長年バンド活動をしながらも、実はサウンドについてはものすごく神経を使って考えたことがなかったんです。でも、専門家の方々に会ったら聞いた途端『僕もこのようにしなければならなかったのに』『これまでどうしてこうしなかったんだろう』と思ったんです」と告白した。 キム・ジェフンは「やはり何も備えていない状態では、レコーディングも時間を予約しなければならないですし、何かに追われるように音楽を制作していたとしたら、今回は余裕があったので、音楽に集中することができました」と語った。 パク・ガラムは「新しい事務所が僕たちのために、体系的にサポートしてくれて嬉しかったのですが、一方ではプレッシャーも感じました。それもあってメンバーたちが本当に一生懸命に準備しました。テヒョンがこんなにたくさん練習するのは、初めて見ました」と笑いながら、「僕たちが成功して、事務所の役にも立てたらと思います。結果にも満足しています」と自信を示した。 2010年に1st EPをリリースした彼らは、いつの間にかデビュー15年目のバンドとなった。危機はなかったのかと質問するとキム・テヒョンは、「事務所と契約する1~2年前が危機でした。目標というのがだんだん曖昧になっていきました。このままアルバムを発売してもいいのだろうか、とも思いました。アルバムをリリースした時にフィードバックもなく、反応もなかったので、力が抜けてメンバー同士で会話もしなくなりました」とし、「ですがとにかく僕たちは友人関係でもあるので、もう一度話し合って、目標も探し、事務所と契約も結んで、アルバムを発売することになりました。順番にビルドアップしていきました。これからも僕たちが考えたことを進めていければいいと思います」と語った。 これまで発売したアルバム数が少ないという点も反省し、これからは成長した姿を見せると伝えたDICKPUNKS。キム・テヒョンは「怠けていた気がして反省しています。今考えてみると、もちろん当時は頑張っていると考えていましたが、余力がないとか、そのようなことは今考えてみると全て言い訳に過ぎません。ただ僕たちが怠け者だっただけです。今からでも反省して頑張らないと、と思っています。今、事務所も僕たちが(アルバムを)リリースしないことは許さないはずです」と笑った。 続けて「以前はふと頭に浮かんだアイデアで音楽を作っていたとしたら、今は完成度の高い音楽を作るようになりました。ディテールに変化を与えられる音楽をやりたいです」とし、「リスナーの方々にも、『細かいところにも力を入れたんだ』と気づいてほしいです」とつけ加えた。 DICKPUNKSが休んでいる間、DAY6、N.Flying、LUCYなど後輩バンドの活躍でバンドブームが巻き起こった。活発に活動している後輩たちを牽制する部分もあるのかと聞くとキム・テヒョンは、「牽制と言えば牽制だと言えます。僕たちが青春の代名詞だったのに、今は別のアーティストが選ばれますから」としながらも、「後輩とはいえ、同じく音楽をする立場から、僕たちがもっと頑張って彼らと共生し、楽しい公演もして、コラボもしたいです」と率直な気持ちを伝えた。 これから聞かせたい音楽とメッセージについてキム・テヒョンは、「リスナーたちのほとんどが、気分を上げるために僕たちの音楽を聞いていると思います。そのため僕たちも、これからポジティブな雰囲気の音楽をたくさん作ることになると思います」とし、「僕たちを思い出す時、肯定的で軽快な雰囲気は残っていてほしいという気持ちは変わりません」と語った。 キム・ジェフンは「青春を取り除いては話せないと思います。そこに、浪漫をひとさじ入れることができればと思います」と語った。 最後にキム・テヒョンは「シングルが発売されれば、契約期間が始まります。期間内になるべくたくさんの楽曲をリリースしたいです。僕たちは活動期間に比べて楽曲が少ないですし、今のように良い環境に恵まれた時、一生懸命に活動してたくさんの楽曲を披露するのが一番の目標です」と意気込みを伝えた。 キム・ヒョヌは「おそらく今の事務所が最後の事務所になるのではないかと思います。そのような心構えで音楽をやっています。ここで見せられることを全て見せようと思います」と述べた。 キム・ジェフンは「コンサートも長い間やっていません。来年は僕たちの音楽でコンサートを開催したいです」と願いを伝えた。 さらにパク・ガラムは「ずっと活動して、事務所と共に成長します。事務所と再契約し、音楽も発表し続けて認められるバンドになりたいです」と抱負を伝えた。
パク・ソヨン