6月20日は『世界難民の日』 映画・絵本で現状を知るきっかけに 私たちが今日からできること
■日本で暮らすシリア難民の男性に聞く“私たちができること”
映画好きということで上映会に参加したという20代・会社員の女性は、「この映画を見て、様々なバックグラウンドを持つ人がいろんな困難を乗り越えて、家族の絆・周りの人とのつながりを大切にしてこれからも生きていくんだなというのを感じられて、見てよかった」とコメント。また「映画を見ることで自分の身の回りから一歩引いた視点で世界のことに思いをはせるという、いいきっかけになった。それぞれの国・地域の歴史や文化を勉強したい」と、語りました。 また上映会には、UNHCR駐日事務所に招待されて訪れた難民の男性も。話を聞いたアナス・ヒジャゼィさん(30代)はシリア出身で、3度の国内避難を経て故郷にいられなくなり、レバノンに避難。その後2019年に学生として来日し、現在は会社員として働いています。 アナスさんは映画を見て、「このような映画を見ると、皆さんは“難民の方は強い”と思うかもしれない。でも、そうとは思わなかった。生き残ることは“強い”けれど、私たちは非常にさみしいです。根っこがない、国に帰ることができないので。ずっと1人だと感じている。この映画を見てそう感じました」と、感想を話しました。 そしてアナスさんに、「今日から私たちができることは何かありますか?」と質問すると、「難民の背景を知ること。難民が(近くに)いなくても、自分で調べること。すごく視野が広がる」と語ってくれました。 この作品はオンラインでも6月20日から30日まで視聴可能。若い世代が参加しやすいよう無料で見ることもでき、また寄付つき鑑賞を選択することもできます。寄付は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とオリンピック難民財団の活動に半々ずつ役立てられるということです。
■絵本で描くロヒンギャ難民の現状
難民について知ることができる手段として、“絵本”という形も。『世界難民の日』に出版された『ぼくたちのことをわすれないで ロヒンギャの男の子・ハールンのものがたり』(由美村嬉々・作、鈴木まもる・絵 佼成出版社 刊)は、ミャンマーのラカイン州にくらす少数民族・ロヒンギャを描いた物語です。