第10回ふくしま産業賞 銀賞 福島セルファクトリー(福島市) 抗体開発 医療を支援
福島医大発のベンチャー企業で、医療などに役立つ抗体の開発に取り組む。医薬品関連企業や研究機関から委託を受け、細胞や血液の検体保管など研究を支援するサービスも提供する。 抗体の開発では、人の体に既に存在しており、病気の治療などに役立つ「天然ヒト抗体」を作る細胞を見つけることに挑戦している。がんや感染症の治療を発展させるため、治療に使う抗体の開発にも力を入れる。 研究支援のサービスは、細胞に関する解析試験や抗体の評価試験などを研究者に代わって行う内容だ。結果を踏まえて改善策を顧客に提案する。自然災害に備えるための分散保管先として超低温の保管施設を運営。国内外から貴重な細胞や検体を受け入れている。 血液細胞の元になる「造血幹細胞」や末梢血単核細胞(PBMC)を保管する体制の整備を目指す。将来がんになった時などに備え、年齢が若い段階で免疫細胞などを長期保管できる環境も整えたい考えだ。
バイオ産業を促進し、人材を育てるために福島県内の農業高校などからの採用活動に取り組む。星裕孝社長(49)は「受賞を励みに一層事業にまい進していきたい」と意気込む。 ■メモ ▽設立=2020(令和2)年2月 ▽社長=星裕孝 ▽従業員数=7人 ▽住所=福島市栄町7の33 ▽電話番号=024(573)4075