米国防長官にニュース司会者、トランプ氏異例の起用に同盟国は警戒
北大西洋条約機構(NATO)の元報道官、オアナ・ルンゲスク氏は「中国に対して効果的に対処したいのであれば、NATOの友人や同盟国が必要だ。トランプ氏は第1次政権でそれを理解していた」と指摘。「また、インド太平洋地域の問題を欧州大西洋地域から切り離して考えるのは避けるべきだ。中国はそのようにはみていない」と述べた。
欧州当局者の間では、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの戦争で勝利すれば、NATO加盟国の東方がロシアの脅威にさらされるとの懸念が根強い。
ヘグセス氏は米国による欧州への軍事的関与についても懐疑的な見方を示している。あるインタビューで、ウクライナでの勝利がプーチン氏をつけあがらせるとは思わないと発言。「ウクライナが自国を防衛できれば素晴らしいが、米国が欧州の問題に深く関与することは望まない」と語った。
欧州外交官の1人は、そのような発言は憂慮すべきであり、同僚らにヘグセス氏を軽視しないよう忠告したと話した。ヘグセス氏の見解よりも、欧州の安全保障に対するトランプ氏自身の態度の方が心配だとの声もあった。欧州連合(EU)は選挙結果を警鐘と受け止め、安全保障において米国を頼ることはできないと認識する必要があると、ある人物は話した。
ヘグセス氏はまた、外交的な取引を通じて世界的な安全保障問題の解決を図ろうとしたトランプ氏の姿勢を支持してきた。これにはトランプ氏が1期目に、北朝鮮のミサイルおよび核による脅威を低減するため、金正恩朝鮮労働党総書記と直接会談し、合意を目指したことが含まれる。
原題:Trump Puts Allies on Alert by Handing Pentagon to Fox News Host(抜粋)
--取材協力:Andrea Palasciano、Andra Timu、Jan Bratanic、Ania Nussbaum、Piotr Skolimowski.
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Alastair Gale, Yian Lee, Peter Martin