開幕戦はあくまでも143分の1。それでも阪神のスタイルで戦う。勝っても負けても、それを貫こうと心に決めて臨んだよ【岡田彰布のそらそうよ】
開幕恒例の赤飯に鯛の尾頭付きが戻ってきた
阪神の監督としては15年ぶりに開幕を迎えたが、何か不思議な感じで、忘れかけていた感覚が、次第によみがえってきた[写真=BBM]
月に1度の「そらそうよ」です。週刊ベースボールの読者の皆さん、久しぶりです。お元気ですか? 先月は沖縄キャンプを終え、オープン戦に入ったころの原稿でしたが、今回はいよいよ「そらそうよ本番編」です。これから始まるシーズン、長い1年……。オレも覚悟を持って、戦いに挑んでいきますので、応援してください。 というわけで、2023年シリーズは3月31日、京セラドームで、DeNA相手に始まりました。その朝、妻(陽子夫人)が赤飯と尾頭付きの鯛を用意してくれていた。現役時代、結婚してからの恒例の朝の風景だが、それが再び、この年になって戻ってきた。 何か不思議な気持ちやった。忘れかけていた感覚というのか、自然に高まる思い。これを思い出していた。 さあ、行ってくる、と家を出たら、多くの番記者が詰めていた。まあ、これも開幕日の恒例か。車の中、いろんな感情が湧いてきた。過去の開幕のことも頭にちらついた。そういえば、オレ、監督になってからの開幕戦、あまり負けた記憶がないんよね。何かいいイメージしかない。こういう感覚的なもの、結構、プラスに受け取れる。 といっても監督として臨むのは2012年以来(オリックス時代)で、これが阪神で、となると2008年以来。あのとき、オレは50歳か。それが65歳になった。当時と比べたら、やっぱり落ち着いているかな。興奮していないわけでもないが、それ以上に冷静な自分がいた。 ひとつ考えたことがある。開幕戦の戦い方だった。勝つに越したことはない。でも・・・
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週刊ベースボール