【解説】ナゼ?誰も「ポスト岸田」に名乗り上げず…3つの理由 本人に“辞める気なし”
■岸田総理は辞める気がない?
有働由美子キャスター 「今回、閣僚4人が同時に交代するという極めて異例な事態となりました。岸田総理は今、窮地に追い込まれているわけですが、となると、“ポスト岸田”を狙って『我こそは次の総理に!』と誰かが名乗りをあげてきそうなものですが、今のところはそういった人はでてきていません」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「大きく分けて3つ理由があると思います。まずは、なんと言っても『岸田総理に辞める気がない』ということです」 「岸田総理は13日に『信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立つ』と言っていました。周辺によると、『気合が入っていて、言葉にも思いがこもっていた』といいます。総理のポジションは、みんなが投票で選んだということになりますから、本人に辞める気がなければその意思を無視して交代させるということはなかなか難しいです」
■キングメーカーがいない 32年前は小沢一郎氏が…
有働キャスター 「でも本人はともかく、党のなかから『総理を変えよう』という動きがでてきてもおかしくないと思いますが…」 小栗委員長 「そこで2つめに『キングメーカーがいない』ことがあげられます」 「例えば小沢一郎氏。今から32年前の1991年、時の海部総理が退陣に追い込まれ、新たに総裁選で総理・総裁を選ぶことになりました。小沢氏は自分より年齢も上の3人のベテラン候補を事務所に招き、面談を行いました。総裁選びを小沢氏が取り仕切っていたんです」 「こうした次の総理総裁を自らの手で決めたり、総理に引導を渡したりする陰の実力者。そういう存在が、良くも悪くもですが、今の自民党には見当たらないんです」
■「火中の栗を拾うリーダー候補はいない」
小栗委員長 「そして、3つめに『今やるのは損?』というものがあります」 「来年1月の通常国会。まず、大切なのは来年度予算案を成立させることです。そのために総理は、予算委員会で野党側の質問に答え続けなくてはいけないんですけれども、今の政治資金問題で一層、苦しい立場に追いやられることは間違いありません。ある自民党議員は、『次の世代に巨大な火中の栗を拾うリーダー候補はいない』と話しています」 有働キャスター 「とはいえ、候補と呼ばれる人は何人か名前が上がっていましたよね?」 小栗委員長 「『次の総理に誰がふさわしいか』という問いで上位に名前があがる、河野デジタル大臣と石破元幹事長。河野さんは来年の総裁選について問われて、『鬼が笑うと思います』という答えました」 有働キャスター 「来年のことだからということなんでしょうけれども、含みがあるとも、はぐらかしたともいえますね」 小栗委員長 「石破元幹事長は、岸田総理について『来年度予算が成立したら辞めますというのはアリだ』と述べまして、予算成立後の政局に言及しました」 有働キャスター 「廣瀬さんはどうみていますか?」 廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー) 「こういった目の前の危機の時こそリーダーシップで手を上げてやるっていうのが本来の政治家の姿かなと思いますので、こうした政治家の姿にはがっかりで、本当に残念なニュースが続くなと思います」 有働キャスター 「岸田さんの次って言われてもピンとこなくて…。まずは今の裏金疑惑をどうにかしてからでしょというふうに思います。どこが膿(うみ)だったのか、膿を出し切るために何をするのか。その解決策にこそ、こぞって手をあげてほしいです」 (12月14日放送『news zero』より)