シスコ、AIを活用した新ソリューション「Cisco Spatial Meetings」などを発表
米Cisco Systems(以下、シスコ)は現地時間10月23日、従業員のつながりやコラボレーションを強化する、AIを活用した新ソリューションとして「Cisco Spatial Meetings」や「Ceiling Microphone Pro」、新たな「Cisco AI Assistant for Webex」機能などを発表した。 シスコでは、分散型業務が主流となった今日では、すべての会議参加者がどこにいても同じ室内にいるように感じられる体験が必要とされていると説明。シスコはこの概念を「ディスタンスゼロ」と呼んでおり、シスコはAIを活用してスマートワークスペースのあり方を刷新し、働く場所や働き方に関わらず、すべての人にとって公平かつインクルーシブな会議体験を実現するため、新しいイノベーションを提供するとしている。 Cisco Spatial Meetingsは、簡単なソフトウェアアップグレードにより、Cisco Room Bar Proが設置されたスペースをイマーシブなスタジオに変え、Webex for Apple Vision Proユーザーが容易に空間ビデオを利用できるようになる。Room Bar Proデバイスと Apple Vision Proがあれば、奥行きと立体感のある動画により、製品デモ、リモートトレーニング、研修などを実施できる。 Cisco Ceiling Microphone Proは、自然会話を多様なワークスペースのあらゆる場所でキャプチャする。このアダプティブマイクは、AIを活用し、話者の位置や室内の構成の変更に合わせて自動調整される。Cisco Ceiling Microphone Proは、シスコのカメラやルームシステムとの互換性があり、管理しやすく完全に統合されたイマーシブな会議体験を提供。数時間かかっていたマイク設定は数分で完了し、これまで以上に迅速な設定が可能だとしている。 また、柔軟な働き方が広まる中で、従業員の期待の高まりとともにIT担当者の責任が拡大しているとして、IT部門や施設部門の業務を簡素化するイノベーションを提供する。 Workspace Designerは、ワークスペースのデザインとカスタマイズを完全に自動化でき、マイクとカメラのカバレッジを3Dビューで表示し、ビデオ対応のハイブリッドワークスペースの展開にかかる時間を短縮する。 Control HubのSmart Diagnosticsは、IT部門が会議室の問題をリアルタイムかつ動的に特定して解決できるようにする。 ThousandEyesのDesk Phone 9800 SeriesおよびWebex Callingとの連携は、リアルタイムのモニタリングとトラブルシューティングを通じて、通話で発生した問題の原因を追跡してダウンタイムを短縮する。 コラボレーションの促進と生産性向上のために、Cisco AI Assistantは、SalesforceやServiceNow、Zendeskをはじめとするエンタープライズアプリとの連携により、ワークフローの自動化を実現する。また、Gleanとの連携により、両社の顧客がGleanのナレッジグラフやOutlook、Salesforce、ServiceNowなどのコネクタを利用して、充実したディスカッションと迅速な意思決定を行える。 また、Amazon Bedrockにより、自社のニーズに最適な大規模言語モデル(LLM)を選択できるとともに、要約やまとめをOutlook、Teams、Copilot、Slackなどのサードパーティプラットフォームで共有できる。 このほか、従業員のエンゲージメントを高める新機能としては、Vidcastの機能強化で、ハイライト、チャプター、トランスクリプトなどの新機能により、非同期のビデオ機能が強化される。VidcastのAI生成機能では間もなく、PDFやPPTをアップロードして、選択した言語やトーンでスクリプトやボイスオーバーを自動生成できるようになる。これにより時間を大幅に削減し、ユーザーエクスペリエンスを向上できる。また、会議参加者は、ウェビナー中や大規模な会議中に、AIを活用してSlidoの投票を生成できる。
クラウド Watch,三柳 英樹