帝国データバンクが発表 企業倒産「31カ月連続増加」の深刻…年末年始が心配だ
企業倒産が止まらない。9日、「帝国データバンク」が2024年11月の倒産件数を発表した。 【写真】養子先から15億円相続 カスタネット芸人・前田けゑさんは今… 11月の倒産件数は、前年同月に比べて61件多く、834件だった。倒産件数は31カ月連続で前年同月を上回っている。「31カ月連続増加」は、1990年10月~93年4月と並び、過去最長タイの連続記録である。3年近くも倒産が増えつづけているということだ。 2024年1~11月の累計件数は9053件となり、年間件数は12月の1カ月分を残して2015年以降で最も多くなった。年間1万件を超える可能性がある。 ヤバイのは、倒産は地域を問わず、多くの職種に広がっていることだ。地域別にみると9地域中8地域で前年同月を上回り、業種別では7業種中4業種で前年同月を上回った。 「人手不足倒産」は1~11月累計で311件発生し過去最多。「物価高倒産」も877件発生し過去最多。「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」も682件で過去最多だった。企業経営を圧迫するマイナス要素が、いくつも重なっている格好だ。 年末年始は資金需要が高まるだけに、これから中小企業の倒産ラッシュとなりかねない。 帝国データバンク・情報統括部情報編集課の袴田創心氏はこう言う。 「2010年代、倒産件数は年間1万件を超えていました。少しずつ減り、2020年代は6000件まで減少していた。それが、また1万件に達しようとしている状況です。大きな要因は、やはり原材料高、人件費増というコスト高です。コスト高を『価格転嫁』できるかどうかがポイントですが、値上げに踏み切れない企業も多い。これから資金需要が高まる年末を迎えるだけに倒産が増える恐れがあります」 しかし、政府日銀は「日本経済は緩やかな回復がつづいている」と景気判断していたはずだ。なのに、なぜ企業倒産が増えつづけているのか。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。 「景気は回復していませんよ。この1年間、景気動向指数は上向いていません。倒産が増えるのは当然です。政府日銀が正確に景気判断しない限り、倒産は増えつづける恐れがあります」 2025年、このままでは本格的な不況に突入しかねない。 なお【関連記事】には、各業界の倒産や破綻に関するニュースが並んでいる。