引き戸を多用した家の落とし穴。コンセントの位置&もれる明かりや音に後悔
間仕切りにもなり、あけておけば動線もスムーズ
上の写真は、1階LDKの引き渡し時の写真です。写真手前奥は、小学生の娘の勉強部屋兼、3歳の息子のオモチャ部屋として使っています。ここはつり下げ引き戸を採用しました。 普段は、かなり散らかっていますが、あけた状態でLDKと一体化して広々使用しています。そして、来客時には閉めて隠しています。引き戸が間仕切りとして使えていて、非常に便利です。 写真の右奥の2つの引き戸は、玄関からの動線と、洗面台所への動線。ここにも引き戸を採用。 開き戸と違い、引き戸はあけっ放しにしていても、扉がジャマに感じません。ですから、出入りが多いこれらの扉を引き戸にしたことで、家事動線がスムーズになったと感じています。 ちなみに、これらの引き戸は、閉まる直前にブレーキがかかり、ゆっくりと閉まるソフトクローズ機能がついたものを採用しました。「バタン!」と勢いよく扉を閉めがちな、小さな子どものいる家庭には、事故を防ぐうれしい機能です。
引き戸を多用したことで、コンセントの位置に苦心
空間の有効利用を考えたら、引き戸の方がよいと考えていました。しかし設計時、困ったことが起こりました。引き戸にすると、壁の有効利用ができなくなるというデメリットが。 家づくりで、コンセントやスイッチの位置を決めるのは、間取りが決まってからです。筆者が家を建てたセキスイハイムの場合は、インテリアコーディネーターさんが、内装や照明と一緒に、スイッチやコンセントの位置についても考えてくれました。 インテリアの打ち合わせで、「引き戸を多用しすぎると、スイッチやコンセントをつける位置が制限される」ということを指摘されました。 わが家の場合、この段階で着工日が決まっていたため、間取りから考え直すこともできませんでした。結局、取りつけられる場所が限られるなか、時間的にも余裕もなくコンセントやスイッチの位置を決めることに。
実際に住んで困ったことは、光がもれること
引き戸のデメリットとして、気密性の低さがあります。断熱性・気密性が低い住宅の場合、冷暖房効率に大きな影響がでます。しかし、この点は気密性の高い全館空調の家なので、問題になりませんでした。 しかし、気密性の低さからくる廊下の光もれや、音もれについては、気になっています。とくに寝室を暗くした際に、写真のように廊下からもれる明かりが気になり、夜9時以降は、2階の廊下の電気を消した状態で、生活することになってしまいました。
1階は引き戸、2階は開き戸がよかった
引き戸を多用した家に住んで実感したことは、わが家の場合、1階は引き戸を、2階は開き戸をメインにしたらよかったということです。 LDKや水回りなどの家族で共有するスペースについては、引き戸にした方が機能的です。しかし、子どもや寝室などのプライベートな部屋については、プライバシーを守ることのできる、開き戸の方がいいと感じています。 今はまだ、家族全員で同じ部屋に寝ているので、そこまで大きな問題はありません。しかし、子どもたちが自分の部屋で寝るようになり、生活リズムがバラバラになったときまでには、音もれや光もれの問題を解決する方法を、考えておく必要があると思っています。
玉城夏海