今年の全米オープンは超難関“パインハーストNo.2”が舞台! コースの歴史や名物ホールを紹介
6月13~16日の日程で名コースと評価される「パインハーストNo.2」で開催される全米オープン。2024年6月25日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、見どころをコース中心で紹介している。コース自体には大きな起伏や罠はないが、グリーン周辺には油断できない「何か」が存在し、挑む選手たちは持てる技量をいかに発揮できるかによって明暗が分かれるという。その内容を「みんゴル」読者にもお届けしよう!
今年と同じパインハーストNo.2で行われた1999年全米オープン最終日。ペイン・スチュワートは最終18番で10メートルのパーパットを沈め1打差でフィル・ミケルソンを突き放して優勝。だが、4カ月後、航空機事故により急逝。その後、コース内にモニュメントが作られた(写真上)
熱戦が繰り広げられてきた超難コース! 「」
18th・448Y・Par 4クラブハウスに向かって行く最終ホールは、フェアウェイ右のバンカーを避けて攻める。グリーン右手前のバンカーはかなり手強い
「No.2は、起伏のあるグリーンとバンカーにより、卓越したロングゲームとショートゲームが求められる」 ードナルド・ロス
1872年、スコットランドのドーノックで生まれたロスは、10代でセントアンドリュースに赴き、トム・モリスの下でコース管理、ルーティングなど設計について多くの事柄を学んだ。ドーノックに戻ると所属プロのジョン・サザーランドの下で6年ほどプロ兼グリーンキーパーとして働き、所持金2ドルだけで新天地アメリカに向かった。ボストンのオークリーCC所属時代、会員だったジェームズ・W・タフツに出会ったことが後に幸いすることになる。なぜなら富豪のタフツ家は、ゴルフ場建設に適したノースカロライナのサンドヒル地帯にリゾートを建設する計画を持っていたからだ。 1900年、パインハーストのプロに就任、07年にNo.2コースを設計した。ロスが優れていたのはコースのルーティングだった。13年アマチュアのF・ウィメットが20歳で全米オープンに優勝すると空前のゴルフブームとなり36年までに5000コースも造られ「コース建設の黄金時代」とされた。ロスはパインハ―ストをはじめ、実に413コースを設計し、改造を含めると600以上にもなるという。大半は、No.2コースの3番ホールに隣接する自宅内で構想を練り、設計図を完成させていた。