【解説】自民総裁選 「脱派閥」ホント? 麻生派27日から研修会
鈴江キャスター 「“派閥単位”の動きも、チラホラ見えているのでしょうか」 平本キャップ 「まず、唯一の派閥、麻生派は健在です。27日に研修会を開いて、派閥として河野デジタル大臣を支援する方針を決めました。確かに、派閥の締め付けが弱まった分、麻生派も全員が河野大臣支援というわけではないですが、河野大臣にとっては40人前後の塊の支持を期待でき、大きなメリットと言えます」
平本キャップ 「ほかの動きもチラホラ出ています。まずは岸田派です。林官房長官は連日、岸田派の議員と会談を行い、派閥からの支援をベースに推薦人20人を確保する考えです」 「加えて茂木派です。茂木幹事長も茂木派の議員の支持がベースとなっています。そして小泉さんです。こちらは派閥ではありませんが、菅前首相に近いグループの支援を塊で得ているようです」 「脱派閥が進む中ですが、ある自民党議員は『派閥の支援は塊で議員票を獲得できるのが魅力的』と指摘しています」
鈴江キャスター 「いまあがった名前の中に、石破さんの名前はなかったですね」 平本キャップ 「はい。石破さんはどこか特定の派閥、グループの支持はバックにありません。国民的人気の高さから、党員票は多く獲得できるのではと言われながらも、議員票はどこまで伸びるのか? 伸び悩むのでは…という懸念は、こうした事情もあると言われます」
鈴江キャスター 「3つ目の疑問、『脱派閥』見極めのポイントはどこになるのでしょうか? 総裁選挙は9月27日と1か月続きますが『派閥』の影響がさらに復活してくることもあり得ると思うのですが、何をポイントに見極めたらいいのでしょうか?」 平本キャップ 「はい。見極めのポイントですが、自民党内でも派閥自体は人材育成、政策立案の機能面ではよい面もあるという指摘もあります。学校でも会社でもグループはありますよね。ただ、裏金事件を受けた議論の中で一番、派閥の悪弊として指摘されているのは『カネと人事の再分配機能』と言われていました」 「これまで総裁選で派閥の力が最も指摘されてきたのは、派閥でまとまった票を総裁選で動かして総裁候補に恩を売り、その見返りにポストをもらう。それが派閥の力の源泉であり、派閥がまとまって動くメリットでした」 「まさにこうした悪弊がこの先、再び表面化するかしないかが、最大のチェックポイントになると思います。具体的には、候補者が乱立する中で今後、どこかのグループの支援を受ける見返りにポストを約束するとか、新しい総裁が誕生した時に『派閥に配慮』した人事を行わないか」 「『脱派閥』が本当に進むのか、戦いが激化する中で、今後さらに問われることになると思います」