マンガ大賞『君と宇宙を歩くために』作者取材 “普通”ができない2人の友情物語 「実体験をベースに」
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書店員を中心とした各界のマンガ好きが“今、いちばん友達に薦めたいマンガ”を選ぶ『マンガ大賞2024 』。そこで大賞に輝いた『君と宇宙を歩くために』(講談社)の泥ノ田犬彦さんにインタビュー。マンガ大賞を獲得した喜びや、作品制作のきっかけについてお話を聞きました。 【画像】マンガ大賞2024、大賞『君と宇宙を歩くために』作者が犬の仮面で登場 作品は、勉強もバイトも続かないヤンキーの小林と、日常のルールをノートに書かないと生活を送れない宇野との友情物語。“普通”ができない正反対の2人が、それぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する姿が描かれています。 選考員からは、「人よりもできないことを認めるのって、何歳になっても難しい。そんな過程をじっくり、ひとつひとつ、丁寧に教えてくれる優しい漫画」「少しずつふたりの世界が重なっていく様子が読む人の記憶や考え方に重なったとき、優しく手を引いてもらっているときのような、あたたかな感情を与えてくれる」などの評価を受け、発売から半年たらず、まだ1冊しか出版されていない中で、大賞に輝きました。
■制作のきっかけは“日常を歩み続ける漫画があったら自分でも読んでみたい”
――『君と宇宙を歩くために』が大賞に輝いた気持ちを聞かせてください。 自分が描いたものが、多くの方に読んでいただけるうえで、賞までいただけるというふうには、自分が描き始めた時には一切想像したことがなかったので、まだちょっとどういうふうに捉えていいのかなという、現実味のない感じがあります。私がしたことは漫画を描いたことだけなので、支えてくださった読者の方、一緒に作ってくださった編集部の方、いろいろな方のおかげでとれた賞だなとうれしく思っています。 ――本作のようなストーリーの漫画を描こうと思われたきっかけを教えてください。 主人公の宇野くんのようなキャラクターの子が、すごく大きなことを成し遂げるわけじゃないし、ものすごく劇的に解決したりとかがあったりするわけではないけど、日常を歩み続けるという漫画があったら、自分でも読んでみたいなって思ったことがきっかけの一つです。あとは、そのもう一人の主人公の小林くんが、第1話で感じたような感情をアウトプットしておきたいというか、マンガという形に落としておきたいなって、自分自身で感じたことがあったので、それを合わせてひとつの作品にしました。