SEALDsの奥田愛基さん会見「デモのつながりは選挙にも影響を与える」
安保法案の審議が採決をめぐって山場を迎えた16日、学生団体「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー、奥田愛基さんが東京の外国特派員協会で会見した。シールズは国会周辺で安保法案に反対するデモを行っている。奥田さんは、これまでは政治に対して思うところがあっても声を上げてこなかった若者らがデモに参加しているといい、「このつながりはそのまま選挙にも影響を与える」と語った。 【アーカイブ動画】学生団体「SEALDs」の奥田愛基さんが会見
「声」が見える形で表出
奥田さんは、安保法案は立憲主義の理念に照らして憲法違反であり、条文上にも問題があると批判する。 シールズが活動を開始したのは今年の5月。毎週金曜日に抗議行動を始めたのは6月からで実質3か月の活動になるという。最初は数百人程度の参加者しかいなかったが、いまでは10万人近くが参加するとしている。 参加者増加の要因について、若者中心の運動ならではのデザイン性や活動内容をまとめた動画などを挙げる見方があるが、奥田さんは「僕の感覚では、政権のおかしさ、説明不足、法案の欠陥が人々の怒りに火をつけている」と分析する。 「これまでも『おかしい』と思っている人は一定層いたが、(そういう人たちが)路上に出て声を上げ始めた」。そういう声が目に見える形で表出してきていて、「『言ってもいいんだ』というカルチャーが日本でもできつつある」という。そして「日本でもデモが珍しいものではなくなっている」と変化を語る。 デモの全国への広がりも強調する。参加する若者は人口構成比で見れば多くはないかもしれないとしながら、シールズが命令したり呼びかけたりするのではなく、関知していないところで、各地の学生らが主体的に行動を起こしていると説明。奥田さんは「法案の結末がどうなろうが、主体的に動き始めた人はもう止まらない」と語る。 学生デモというと香港の「雨傘革命」や台湾の「ひまわり運動」が記憶に新しい。奥田さんはこうしたデモをネットなどで見ており「多分に影響を受けた」という。ただ、あくまで日常の中で自分たちでできることをできる範囲でやるという感覚で、「革命を起こそうという気持ちはない」と語った。