村田諒太 次戦は思い出の京都で世界ランク入りへ向けての試金石
ロンドン五輪の金メダリスト、村田諒太(28歳、三迫)のプロ転向第4戦が、5月22日、京都の島津アリーナ京都(京都府立体育館)で、ヘスス・アンヘル・ネリオ(25歳、メキシコ)を相手にミドル級10回戦で行われることが22日、都内で発表された。 今回の相手は、タフなメキシカンで、戦績は15戦12勝(6KO)3敗。海外ボクサーに詳しい帝拳の浜田会長によると「安定したボクシングをして簡単に崩れることがないタイプ」だという。06年にデビュー以来、10連勝した時期もあって、3つの負けのうち2つは、スーパーミドル級の世界ランカーが相手。「本来のウエイトからスーパーミドルという重いクラスに上げたことで負けた試合。簡単に倒せる相手ではない。村田が、このクラスにどれくらいできるか。内容次第では、次に世界ランカーとの対戦を考えている」とは、帝拳の本田代表のプランだ。この試合で、内容のいい勝ち方をすれば、いよいよ次は、世界ランカーとの対戦が用意される模様で、その次戦に勝てば、世界挑戦のためのパスポートとも言える世界ランキングを手にすることになる。 この日、記者会見と、公開練習を行った村田は、「対戦相手は、1試合の映像を見ただけだが、まともにパンチをもらわないし、やりにくい。メキシカンは初体験だが、パンチを殺すのがうまく見える。でも、これくらいの相手で躓いているようでは話にならない。圧倒的な勝ち方をしたい」と、第4戦目に向けての意気込みを語った。 浜田会長が、「予想以上に成長が早い」と驚くほど、1試合、1試合、“プロ村田”として進化しつつある。マカオで戦った前戦では、頭をふって上半身を柔軟に使うという新しいプロテクニックをクリアした。この第4戦目での技術的なテーマは、右のストレートを磨くことに置いた。 「『村田はこれが怖い』、『これが当たれば、試合が終わる』というパンチを磨きたい。やはり、それは僕の場合、右ストレートだと思う。これまでは少し打ち上げるようなフォームになって力が半減していた。しっかりと体重を乗せて打ち下ろすようなタイミングとフォームを身に付けて自信をつけたい」 中学生の頃から、海外のボクシングマニアでもある村田は、改めて“ヒットマン”トーマス・ハーンズや、これまで「一番好きなボクサー」と公言してきた3階級王者、フェリックス・トリニダードの映像を見直した。80年代、90年代の中量級を席巻したスーパースターの右ストレートに村田は、感じるものがあったという。