【福岡ボート(サマータイム)一般】田頭実 自分に求められているのはS
<9日・福岡ボート・5日目> トップバッターの重圧をはね返した。準優10Rの1号艇として登場した田頭実(57)=福岡=は、インからトップSを決めて他艇の攻めをきっちり完封。〝艇界一のS野郎〟という看板はダテではなく、すごさを見せつけて最終決戦に乗り込んだ。 ここに来て機力にも手応え十分。「予選ラストで負けてようやくペラを叩く決心がついた」。前検段階から伸びはトップ級だったが、ペラ調整を施すことで頭を抱えていた出足や回り足の悪さも解消。「伸びのパンチは少し落ちたけど、グリップしだしたのは大きい。安心してレースができる」。大一番を前に準備は整った。 前節の若松GWレースでFを切り、まだこのF休みが未消化。新期になったとはいえSは慎重にならざるを得ない状況だが、田頭は意に介していない。「それは関係ないかな。やっぱり自分の代名詞はSだし、お客さんも自分に求めているのは早いS。その期待には応えないとね」 これこそがS野郎としての心意気。どんな状況でもファンの信頼を裏切るつもりは毛頭ない。「最後も優勝を狙っていくよ」。もうすぐ還暦を迎える年齢ながら、レース内容は全盛時とも何ら変わらない。真骨頂である記録ではなく、記憶に残るレースを最後も披露する。(森 大輔)