日本の大学初の「恐竜学科」岡山理科大学が25年春開設 恐竜研究の“進化”の背景には少子化が…【岡山】
岡山放送
岡山市の岡山理科大学に2025年春、日本で初めての新しい学科が開設されます。その名も「恐竜学科」。これまで恐竜について研究する大学として知られていましたが、その内容が大幅に強化されます。 (三竿雅義記者) 「こちらは学内にある恐竜博物館です。大学が研究材料として発掘してきた恐竜の化石など約500点が展示されています。学校が学科に昇格させる恐竜学科。一体どんな狙いがあるのでしょうか?」 (岡山理科大学 平野博之学長) 「国内オンリーワン。世界的に見てもほとんど例がない。岡山理科大学が目指す独自の恐竜学を展開し、新しい知見を発信したい」 恐竜学科設置に向け、平野学長が意気込みを語りました。 現在、恐竜の研究は生物地球学科の恐竜・古生物コースで行っていますが、学生のニーズが高いため、コースから学科に昇格させます。30人程度だった定員は45人に引き上げ、専任の教員も4人から8人に増やします。 恐竜研究の基礎は「発掘」だと強調するこの大学。恐竜学科ではそれに必要な地質学や恐竜の生態を研究する病理学など様々な分野が学べます。 (恐竜学科専任教員(予定) 實吉玄貴准教授) 「過去に生きていた動物を見る力を養うためには、研究していく過程の中で必要なことは何だろうと考えていた時に、総合科学として恐竜をやらないと分からないということになった」 大学では7月27日からのオープンキャンパスでこの恐竜学科をPRしたいと話していました。 (中塚美緒キャスター) この恐竜学科、もともとは岡山市のバイオ関連企業・林原、現在のナガセヴィータから研究事業を引き継ぎ、2014年当時、国内初の恐竜・古生物学コースとして始まりました。 その後、モンゴル・ゴビ砂漠などで発掘調査を積極的に行っていて、世界最大級となる四足歩行の恐竜、「竜脚類」の足跡などを次々と発見し、大きな話題を呼びました。 (岸下恵介キャスター) 「連続する足跡が見つかり、恐竜が「がに股」で歩いていたことなども分かったんですよね」 (中塚美緒キャスター) また、化石が見つかった地層の年代を世界で初めて特定するなど、恐竜の移動や進化のナゾの解明へ大きな研究成果を上げてきました。学問としては比較的ニッチな分野ではあるものの、常に多くの人の関心をひいてきた恐竜をテーマにさらに深い研究を行っていくためには、優秀な人材が、研究が盛んな外国へ流出するのを防ぐだけでなく、少子化に伴う大学の生き残りをかけた大学の「質」の向上も期待されています。 (岸下恵介キャスター) 「18歳の人口は減っているのに大学の数は年々増えているんですね」 (中塚美緒キャスター) 「少子化が進む中、大学数は増えているため、募集停止や経営破綻を防ぐために特色ある大学作りが求められているのです。 岡山理科大学の恐竜学科の設置は一石を投じられるのか。今後が期待されます。
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