人事「降格になりますけど、良いですか?」→「全然問題ないです!降格してください」…損保営業一筋の57歳サラリーマンが、出世を諦めても譲れなかった“念願”【インタビュー】
行動したことで掴めた仕事
――「専業主夫」という選択もありましたか? 三井:妻が35年間、国際交流の仕事に関わっていて、幼児から大学生までの子どもたちに英語劇を作ったり、発表に向けての合宿、海外へのホームステイのお手伝いや引率業務をしていました。また、海外の子どもたちやシャペロン(引率者)のホームステイ受け入れのお手伝いなどもやっていました。 こういった事務処理を全て1人で行っているため、この際、〝専業主夫〟として妻のサポートに専念することも考えました。 しかし、やはり収入が全くなくなるという問題と、せっかく勉強して取得した国家資格「キャリアコンサルタント」が活かせないということで、決心には至りませんでした。 ――ほかにもBNI(世界的異業種交流会)に初めて参加された日に、「人材紹介」の仕事をいただいたそうですね。 三井:就職活動をしてもダメなので、キャリアコンサルタントの資格を活かし「人材紹介」の仕事を起業することにしたのですが、BNIでは初めて参加したその日に、初のリファーラル(メンバー同士の顧客の紹介)として内装会社の紹介をいただきました。 BNIというのは「与える者は与えられる」の精神に基づくアメリカ発祥の世界的な異業種交流会です。会員数は1万人を超えており、人と人とが会うと「私はあなたのために何を紹介したら良いですか」といきなり聞き合うというものです。 毎週定例ミーティングを行い、人間関係を築き合いながらビジネスを提供し、またビジネスを享受する。個人事業主との接触という意味でもとても意義深いです。 サラリーマン時代は、「社会→会社→自分」だったのが、「社会→自分」とダイレクトに社会に接することになるからです。 個人事業主がどのように稼いでいるのかを目の当たりにすることで、「こんなことでも稼げるのか」「これなら自分もできそう」「これはできそうにない」などと考えるきっかけになるからです。 またBNIに加入した後、「結婚相談業」をしている池津和子さんと出会い、この仕事もスタートさせました。 それまでは「結婚をした人から報酬として何十万円ももらうなんて……」と思うところもありましたが、実際にやってみると、お見合いの申込みや日程と場所のセッティングなどかなり神経を使う仕事だということが分かってきました。 それだけに結婚が決まった場合には、本人から「お世話になりました」ということで気持ち良く成婚料をいただけるように頑張っていきたいと思っています。 金澤 美冬 おじさん未来研究所 理事長/プロティアン株式会社 代表 株式会社YEデジタル 社外取締役
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