放課後デイ13歳死亡、元職員に有罪判決…大阪地裁「障害を持つ児童を預かる危機意識に欠け過失は重大」父「子どもが死亡したのに執行猶予付きは納得できない」
障害がある子どもを預かる大阪府吹田市の放課後等デイサービス施設で2022年、安全管理を怠り、清水 悠生(はるき)君(当時13歳)を川で溺死させたとして、業務上過失致死罪などに問われた元職員の宇津雅美被告(66)に対し、大阪地裁は23日、懲役1年10月、執行猶予4年(求刑・懲役1年10月)の有罪判決を言い渡した。中井太朗裁判官は「障害を持つ児童を預かる者として危機意識に欠けており、過失は重大だ」と述べた。
判決によると、宇津被告は放課後等デイサービス施設「アルプスの森」で児童の支援計画の責任者だった。22年12月、重度の知的障害や自閉症のある清水君が送迎車から降りる際、施設の敷地外に飛び出すことを防ぐために職員2人で対応するなどの対策を怠り、職員が目を離した隙に、近くの川で清水君を溺死させた。
中井裁判官は清水君が過去にも職員の元から飛び出していたことを踏まえ、「職員の指導を怠った」と指摘。「被告は清水君に直接対応した職員に責任転嫁し、反省を深めた様子はない」とした。
別の利用者を殴るなどした暴行罪なども認定した。一方、「施設が閉鎖して失職し、社会的制裁を受けた」として執行猶予を付けた。
判決後、被害者参加制度で出廷し、公判を見守った清水君の父、悠路さん(48)は「危ない状態を放置し、子どもが死亡したのに執行猶予付きの判決は納得できない。司法に裏切られた」と語った。