イエモン、GLAY、スピッツ......今こそ見に行くべき「90'sバンド」の魅力
デビューをした90年代が第1章、活動再開後が第2章であるとするなら、今年は第3章が始まろうとしているタイミングであり、まさにイエモンは「今こそ見に行くべき90'sバンド」の筆頭といっていいだろう。 「往年の人気バンドの復活ライブというと、昔からのファンがお祝いムードで迎えるという、ノスタルジックな雰囲気になりがちです。しかし、イエモンの新曲はバンドの新たな側面を感じさせてくれるものでした。 今のイエモンは、ただの復活というだけでない、とても見応えのあるステージになるのではないか。そんな期待感を抱かせてくれます」 ■94年デビューの「同期バンド」に再注目 また、今年はデビュー30周年という大きな節目を迎える有名ロックバンドが2組いる。GLAYとL'Arc-en-Ciel(以下、ラルク)だ。また、それぞれが大規模なライブやツアーも予定している。 「GLAYは今年をアニバーサリーイヤーとして、実に多くの動きを発表しています。新曲のリリース、クイーンとの札幌ドームでの対バン、単独のドームライブに、バンド初の夏フェス出演と、すでに決まっているだけでもこれほどあります。 もともとGLAYはベテランの中でもファン対応が誠実なバンドとして知られています。今後の活動を公約のように掲げ、それをちゃんと実現することで、ファンとの一体感を生み出してきました。音楽そのものだけでなく、活動全般にわたってGLAYというバンドのあり方をしっかりデザインしている。きっと充実したライブを見せてくれるでしょう」 一方、ラルクは一昨年の東京ドームで結成30年を記念したライブを行なっている。そのため今年のデビュー30周年となるツアーでは、普段のセットリストとは異なり、これまで披露する機会の少なかったレアな楽曲群を掘り起こすファン待望の内容になるという。 「ラルクは王道のロックソングのイメージが強いバンドですが、実際はプログレやサイケ、ゴシックなど、幅広い音楽性を秘めています。従来のファンにとっても、見逃せないライブになるのではないでしょうか」 そして、GLAYとラルクの「今こそ見に行くべき理由」は、単にアニバーサリーイヤーだからというだけではない。 「日本の音楽史で1994年デビュー組は、実はとても重要な存在です。90年代前半は、ビーイング(ZARDやWANDSなどをヒットさせた音楽レーベル)のミュージシャンたちに代表される、王道ポップス全盛の時代でした。 しかし、94年になると、ここで挙げている多種多様なロックバンドが百花繚乱(りょうらん)に花開く90年代後半に向けて、時代が切り替わるのです。そういった激動の時代にブレイクしたバンドだからこそ、彼らは長く支持されているし、今も衰えない実力がある。そんなバンドの節目となるようなライブですから、まず注目して損はありません」