シートベルトは着用しないと「ダメ、絶対」……でもない!? 公道で着用せずに運転しても罰せられない「例外」とは
理由があれば着用義務の例外に当たる
ではこの、やむを得ない理由とはどんなものなのでしょうか。 まずは、ケガや障害があったり、妊婦であるためにシートベルトの装着が療養上や健康保持上において適当ではない人。著しく座高が高い、または低い人、著しく肥満など、身体の状態によって適切にシートベルトが装着できない人。こうした身体的理由が挙げられます。 ただし、妊婦さんにおいては、シートベルトの腰ベルトを腹部からずらして骨盤に近いところで装着することにより、万が一の際に母子が助かる可能性が高まることがわかり、装着が推奨されています。 次に、クルマを後退させるときの運転手。これもやむを得ない理由に該当します。車庫入れなどでバックするときに、何十キロものスピードを出す人はいないという前提ではないでしょうか。 さらに、病気などの幼児を緊急で搬送する場合。乳児に授乳やおむつ交換などが必要な場合も当てはまりますが、よほどのことがなければ授乳やおむつ交換は安全な場所に停車して行うようにしたいところです。 ここまでが、一般の乗用車に当てはまるケースですが、業務で運転する場合にもさまざまな例外があります。消防士等が消防用車両を運転する際。警察官等の公務員が職務のために自動車を運転する際。郵便配達やごみ収集、配達業務などで、頻繁に乗降する区間での業務の際。要人警護などで警察用自動車に護衛、または誘導されているとき。公職選挙法の適用を受ける選挙における候補者、または選挙運動に従事する者が選挙カーを運転するとき。 なかでも配達業務というのは宅配便だけでなく、クリーニング屋さん、牛乳やパンなどの飲食料品屋さん、お酒やお米の配達といったさまざまな業種が該当しますが、あくまで「配達業務中」であることと、「頻繁に乗降する区間」であることによって適用外と認められるということです。 とはいえ、違反にならないからといっても運転中、走行中は常に事故の危険と隣り合わせであることを忘れず、このようなケースでもできる限りシートベルトを装着するようにしたいですね。
まるも亜希子