天皇皇后両陛下 重症の障害児ら守る会に出席 「勉強は何が好きですか?」母親の体験談聞き、先天性疾患ある中学生らとご交流
天皇皇后両陛下は9月28日、都内のホテルで開催された、心身に重い障害がある子どもたちを支援する会の創立60周年記念大会に出席されました。 【画像】平成16年6月 創立40周年記念大会で参加者と交流された上皇ご夫妻 障害がある子どもを持つ親たちによって昭和39年に設立された「全国重症心身障害児(者)を守る会」は、障害者の福祉や医療の向上、社会参加などを目指し活動しています。 平成6年の創立30周年記念大会には上皇ご夫妻が初めて出席されました。この時、上皇さまは「重い心身障害を持つ人々の命の尊さが理解され、その人格が尊重され、重い心身障害を持つ人々が常に人々の視野の中に入る社会でありたいものと思います」と述べられています。 上皇ご夫妻は、その後も40周年、50周年と節目の大会に出席し、参加者と交流するなど、心を寄せてこられました。 上皇ご夫妻から引き継ぎ、今回、初めて式典に臨まれた両陛下。陛下は挨拶の冒頭、能登半島豪雨の被災者にお見舞いの気持ちを示した上で、「重い障害のある人たちが、施設においても、地域においても、かけがえのない人生を豊かに生きていくことのできる社会が続いていくことを望んでいます。『最も弱いものをひとりももれなく守る』という理念に基づいて始められたこの会が、重い障害のある人たちに対する社会の理解を更に深め、それぞれの生きる道について、様々な可能性を引き出していくことを期待いたします」と話されました。 式典では、先天性の疾患がある中学2年生の長男・健太郎さんとともに登壇した樋口てるみさんが、体験談を発表しました。 樋口てるみさん: 息子は妊娠6カ月の頃、胎児の時に先天性の疾患があることが分かりました。無事に出産できても、2、3時間しか持たないと宣告され、延命措置をどうするか問われたときに、大変悩み苦しみました。 息子は濃厚な医療的ケアを必要としても体調を大きく崩すことなく、特別支援学校でも様々な表情を見せ、たくさんの発達を獲得し、歩行訓練も始めています。 樋口さんの発表に、両陛下はじっと耳を傾けられました。 式典後、親子と懇談し「勉強は何が好きですか?」などと語りかけ、母親には「とても元気で良かったですね」「コロナ禍で大変だったでしょう」と気遣われたということです。 (「皇室ご一家」10月6日放送)
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