初期消火から救助まで ホテル火災想定し訓練 大島地区消防組合
秋季全国火災予防運動(9~15日)を前に大島地区消防組合は2日、鹿児島県奄美市名瀬大熊の「奄美山羊島ホテル」で火災防ぎょ訓練を行った。名瀬消防署職員や同ホテル従業員ら約50人が参加。火災発見から初期消火、通報、避難誘導、逃げ遅れた人の救助など一連の対応を実践した。 普段実施しにくい中高層建物での訓練を目的に同ホテルが協力。同署管内には中高層に当たる3階建て以上の建物が759棟(2022年)あるという。 訓練は4階客室から出火した想定。ホテル従業員は初期消火や館内放送、客の避難誘導、火災通報装置を用いた消防への通報などを実践した。 通報を受け消防車5台と救急車1台が出動。消防隊員は、ホテル担当者から提供されたホテル内の図面や逃げ遅れた人の情報などを基に、消火活動や救助活動を行った。 泊智仁名瀬消防署長は「初期消火から通報、情報提供など(ホテルの対応が)スムーズかつ迅速だった」と講評。ホテル側を代表して奄美山羊島観光の有村修一代表取締役は「命を預かる宿泊所で訓練ができてよかった。いざという時のための心の準備になった」と述べた。 同ホテル防火管理者の福山博司さんは「(火災時の対応など事前に準備している)計画に沿ってスムーズに訓練ができた。日ごろからお客様第一で、安全確保に努めたい」と話した。