韓国・現代自動車がWRCに巨額を投じる理由
【12月11日 KOREA WAVE】「モータースポーツは車両の耐久性と性能を証明する場であり、ブランドの歴史が刻まれる舞台でもある。現代自動車グループはレースを通じてブランド価値を着実に向上させている」 国際自動車連盟(FIA)が主催する世界ラリー選手権(WRC)は、世界最高峰のモータースポーツ大会の一つだ。市販車を基に改造した車両で、舗装道路、未舗装道路、雪道といったさまざまな環境を舞台にラリーを繰り広げる。その特殊な条件ゆえ、どのような状況にも耐えられる車両の耐久性と、状態を維持する整備性が重要視される。 韓国・現代自動車は2003年にWRCから撤退したが、2012年のパリモーターショーで再挑戦を表明し、2014年から本格的に復帰した。当初は目立った成績を残せなかったが、2019年と2020年には製造者部門で優勝。2023年にはドライバー部門とコ・ドライバー部門で初優勝を果たし、参戦10年目にして大きな成果を挙げた。現代ワールドラリーチームは、総得点558点で製造者部門でも総合2位となった。 現代自動車はWRCに参加しながら高性能車の開発に巨額の投資を続け、多くの技術を獲得した。これらの技術は市販車に応用され、グローバル市場で耐久性や整備性が評価されるきっかけとなった。自動車業界では、WRC参戦にかかった費用を上回る成果を得ているとの見方が一般的だ。 現代自動車はWRCでの成功にとどまらず、高級ブランド「ジェネシス」を通じて耐久レース「ル・マン デイトナ ハイブリッド(LMDh)」への挑戦も明らかにした。LMDhはヨーロッパ最大級の耐久レース「ル・マン24時間」と、北米の代表的な耐久レース「デイトナ24時間」の両方に出場できるハイブリッド車部門だ。この部門にはBMW、キャデラック、ポルシェ、ランボルギーニなどが参戦しており、激しい競争が繰り広げられている。 ジェネシスがこれらの競合ブランドと肩を並べるためには、24時間耐え抜き、長距離かつ高速で走行可能な車両を開発しなければならない。このレースで成果を収めれば、ジェネシスの性能が自動的に認められることになる。ジェネシスはこれまで他の高級ブランドに比べ、性能面で十分な評価を得られていなかったため、この挑戦の意義は大きい。 自動車業界の関係者は「グローバルな自動車ブランドの多くがレースに参加し、技術を開発してきた。レースで得た名声はブランドの資産となる。後発ブランドである現代自動車とジェネシスがレースに参加するのは当然だ」と説明する。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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