日本人には理解できない…アメリカ株だけが上がりつづける「本当の理由」!そして密かに浮かび上がる「米国モンスター株」の正体
アメリカ株の勢いがヤバすぎる!
米国株の快進撃が止まらない。 ふと気が付けば、ダウ平均株価で4万5000ドル、S&P500指数で6000ポイントという異次元の領域が射程圏内に入ってきた。他の先進国の株式市場が足踏みを見せる中で、米国株市場だけが世界中の投資資金を吸い込むかのように日々史上最高値を更新し続けている。 【一覧】米国株が異次元の領域に突入…!「モンスター・ハイテク株」の全貌はこちら! 特に、日経平均株価が3万円台後半で足踏みを続ける日本株との対比では、過去1年程度で米国株が18%もアウトパフォームを見せている状況である。 図:過去1年間の日・米、欧・米相対株価の推移 米国は利下げ、日本は利上げといった金融政策の局面の違いはあるとはいえ、同じく利下げ局面にある欧州も同様に過去1年間で米国株に15%も劣後しているため、日本株と大きく状況は変わらない。 その意味では、むしろ欧州株のほうが日本株よりも質が悪いようにも思われるが、何にしても現在の世界の株式市場の中では、完全に「米国株の独り勝ち」といった環境にある。
なぜアメリカ株は強いのか?
あくまで定量的な観点で見れば、現在の米国株は明らかに割高だ。S&P500の予想PERで見ても、直近の淡々とした上昇を経た結果として、過去10年程度の最高値である22倍近辺にまで達している。これは、2020年のコロナショック直後の異常な金融緩和状態とほぼ同水準である。 言い換えれば、コロナ禍によって期先の利益見通しが急速に悪化しているにもかかわらず、量的緩和や緊急利下げによる過剰流動性によって株価のみが無理やり押し上げられるような、とてつもないプレミアムが乗っかった状態と同じレベルの株高、割高感ということだ。 図:過去10年間のS&P500と予想PERの推移 しかし、それでも米国株は一向に崩れる気配はなく、淡々と上値を切り上げ続けている。 なぜ米国株がこれほどまでに世界の中で突出した強さを見せているのかといえば、理由は単純だ。周知のように、米FRBは9月に市場の予想を超える0.5%という大幅な利下げを実施したが、そもそも米国は緩和的な政策を取らなければならないほど経済が弱いわけではない。 むしろ、直近で市場予想を大きく上回った雇用統計や小売売上高などに見られるように、特に内需関連の指標については極めて堅調な状態が維持されている。 図:米国の直近の内需系指標と雇用系指標 このような環境下で、単にこれまでの利上げ幅と同様どころか、それを上回る大幅利下げを実施したのだから、米国株の一強状態が演出されても何ら不思議なことはないだろう。