人間の足は50年で「耐用年数」を過ぎるという、50代になったら要注意「足を守る」正しい歩き方
また、多くの患者さんたちと接してきた中で、とてもよくある「やり取り」があります。さまざまな疾患や不調をよくするために、「歩くなど、運動をして、筋肉を元気にするようにしていきましょう」と私が言うと、少し不満げな顔をされる方がかなりいらっしゃるのです。 おそらく、そうした反応をされる方のほとんどは、すべてを薬で解決してほしいのでしょう。 しかし、ここではっきり言っておきます。運動による作用や効果は、薬で補えるものではありません。筋肉を増やしたり、筋力を向上させたりするには、やはり運動をするしかなく、運動の代わりに薬で補うことはできないのです。
■プロテインを「飲んだだけ」では筋肉は増えない また、念のために言っておくと、サプリメントやプロテインを摂取しても、運動と同等の健康効果を得ることはできません。 筋肉を増やすには、筋肉を1度破壊してから修復・回復させる過程が必要です。プロテインは、その過程で飲むことによって、効率よく修復・回復=筋肉をつきやすくするというだけなので、プロテインを飲んだだけで筋肉が増えることは決してありません。 つまり、運動不足の人がただプロテインを飲んでも、なんの意味もないのです。それどころか、なにも知らずにプロテインを大量に飲めば、腎臓に余計な負荷をかけることになってしまいます。
筋肉を増やしたり、筋力を向上させたりする唯一の手段が運動であるなら、誰にとってもいちばん身近な「歩くこと」をできるだけ実践するべきです。 歩くのがおっくうだったり、なんらかの事情で歩くことができなかったりするならば、歩く代わりになる運動が必要です。有酸素運動であることはもちろん、歩くのと同じように足の筋肉を適度に刺激する運動が望ましいと考えています。私は、「すごい足踏み」という室内でできる運動を開発し、「歩くのがしんどい」というみなさまにおすすめしています。みなさまの、運動不足解消の一助になれば幸いです。
菊池 守 :足の専門医